“紙マイクラ”クリエイターも驚く『映画マイクラ』の世界!「ゲームの世界観を壊さずに、実写だからこその細やかな表現」
四角いブロックだけで構成された世界の中で、自分の好きなようにものづくりや冒険が楽しめる世界的大人気ゲーム「マインクラフト(通称:マイクラ)」。この“マイクラワールド”を、ハリウッドの豪華スタッフ&キャストで完全再現して、まさかの実写映画化した『マインクラフト/ザ・ムービー』が本日公開を迎えた。
全米では2週連続でNo.1、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)のオープニング興収記録を超えるなど記録的な大ヒットとなっている本作。そこでMOVIE WALKER PRESSでは、“マイクラ”に精通し、YouTubeチャンネル「KamiCH」にて“紙マイクラ”を制作した動画を発信しているクリエイターの神近に、いち早く本作を鑑賞してもらってインタビューを実施!映画の率直な感想から、気になったというアイテムの質感など、独自の目線で語ってもらった。
謎のキューブの力で、すべてが四角形でできた異世界に転送されてしまったギャレット(ジェイソン・モモア)とナタリー(エマ・マイヤーズ)&ヘンリー(セバスチャン・ハンセン)姉弟、そしてドーン(ダニエル・ブルックス)の“非リア充”4人。そこはイメージしたものをなんでも創り出せる不思議な世界だった。先住転送民のスティーブ(ジャック・ブラック)が現れていろいろ教えてくれるなか、四角いモンスターたちが次々と迫り来る!さらに、危険たっぷりでなにも創造できないうえに喜びもない、黄金を掘るだけの世界“ネザー”を根城にしたマルゴシャ率いる四角いブタのピグリン軍団も襲来!ピグリン軍団からマイクラワールドを守るため、ギャレットたちはクリエイティブ力を駆使してサバイバルを繰り広げていく。
「理想どおりのものがないなら自分で作ってしまおう!と思ったんです」
もともとは、趣味としてはじめた「マインクラフト」にハマり、その後ゲームだけでは飽き足らず、紙でマイクラを再現して制作した動画を投稿するほど、マイクラの虜となっている神近。その精緻に再現された“紙マイクラ”の世界は、世界中のマイクラファンの目に止まり、開始から4年でチャンネル登録者は138万人にも達している。まずは、『マインクラフト/ザ・ムービー』について語ってもらう前に、どのように原点であるゲーム版に触れてきたのかを話してもらった。
「プレイ歴はもう10年くらいになりますね。素材を求めて冒険したり、施設を作って自動化させたり…とにかく自由度が高いゲーム性が大好きで、当初は本当に1日中遊び続けたりしていました。仕事の都合でプレイできない時期もあったんですが、映画で吹替声優もされているHIKAKINさんやドズル社さんのマイクラの動画を見てブームが再燃して、自分でもYouTubeで動画投稿を始めるようになったんです」。
神近が創りあげる“紙マイクラ”は、ゲームと同じ模様が印刷され、精度の高い紙製の立方体に磁石を仕込み、パチパチと小気味よくつながっていく。まさに、マイクラの3Dブロックが小さくなって現実に出現したような形だ。「実際にマイクラのような雰囲気を楽しむためには、ブロックがたくさん必要で。なので、安く手に入って自分の思い描いたことを表現できる、“紙マイクラ”にしたんです。マイクラのレゴブロックもあるんですが、もっとリアルなおもちゃが欲しくなってしまって、理想どおりのものがないなら自分で作ってしまおう!と思ったんです」。
「ゲーム上は省略されている部分が、映画ではかなり細かく描かれている」
マイクラを心底愛している神近だが、実写映画化が発表された際にはかなり驚いたそう。「正直、どんな映画になるのか全然予想がつきませんでした。ゲームの世界は立方体だらけですし、きちんとしたストーリーや目的も存在していないので。それを実写映画として現実世界とどのように合わせていくのかはとても気になっていましたが、予想以上にかなりおもしろい作品でした」。
ゲームでのブロックにはいわゆる質感的なものは表現されていない。しかし映画内では、立方体という形はそのままに、岩であれば固さ、木であれば木目の凹凸、動物などは毛のフサフサした感じまでが表現されている。こうしたアレンジも踏まえて、映画におけるマイクラの再現度にはかなり満足したそう。
「もし、僕たちがマイクラの世界に入ったら、本当にこんな感じなんだろうと思いましたね。それくらいセットで作られた世界や、登場する生き物などの再現度はすごく高かったです。マイクラはすべてが立方体で構成されているので、見た目にもすごく特徴があるんですが、それをそのまま現実と融合させるのは難しいだろうなと思っていたんです。それが表面のディテールや質感、現実の世界にあっても違和感のない雰囲気やアレンジも含めて、世界観の表現はとてもいい塩梅だったなと思いました」。
こうした映画だからこその表現は、これまでマイクラに慣れ親しんできた神近にとっても、さらなる想像を膨らますきっかけになったそうだ。「ゲーム上は省略されている部分が、映画ではかなり細かく描いてあるんですよね。たとえばモンスターを倒した時はゲーム上ではただ煙になるだけなんですが、映画ではちゃんと骨がバラバラになって飛んでいく。そうした、ゲームの世界観を壊さずに実写だからこその細やかな表現がアップデートされた映像のおかげで、『本当はこんな感じなのかも!』と補完しながら今後ゲームを楽しめそうだなと思いました。そうした想像力を膨らませるようになれるところも映像化したからのよさかもしれないですね」。