『片思い世界』脚本の坂元裕二、広瀬すず&杉咲花&清原果耶が主演に決まり「プレッシャーで逃げたくもなった」
『花束みたいな恋をした』(21)の脚本家の坂元裕二と土井裕泰監督が再タッグを組んだ『片思い世界』の公開記念舞台挨拶が4月5日にTOHOシネマズ 日比谷で行われ、広瀬すず、杉咲花、清原果耶、脚本の坂元、土井監督が出席した。
本作は、東京の片隅で、家族でも同級生でもないけれど一緒に暮らす、美咲(広瀬)、優花(杉咲)、さくら(清原)の3人を主人公に、12年間も誰にも言えなかった切実な“片思い”を描くヒューマンドラマ。
昨日公開を迎え、「友だちと一緒に観に行こうと約束をしている」という広瀬は、「久々に自分の映画を劇場に観に行く。もう一度観たくなる気持ちになる」とにっこり。杉咲は「知り合いが観に行ってくれて。『こんな世界があったらいいなと思いました』いう感想をくれて、すごくわかるなと思った。レビューとかも読むんですが、そういう声も多くてうれしいです」と喜びをにじませると、清原も「友だちが観に行ってくれた」と続き、「『すずちゃんのカードをもらったよ』と連絡してくれました」と入場者プレゼントのソロビジュアルポストカードについて触れ、楽しそうに広瀬と笑顔を見せ合っていた。
土井監督は「2年前に製作を初めて、やっと観ていただける。感無量」としみじみ。松たか子と松村北斗が初共演をした映画『ファーストキス 1ST KISS』では塚原あゆ子監督とタッグを組んでいた坂元は、「塚原あゆ子さんと、『誰も感想をくれないよね』と話をしていて。『次は、お互いに感想を送り合おう』と約束していた」というものの「昨日塚原さんはご覧になったらしいんですが、僕には感想を送ってくれず、土井さんのところにメールが行ったらしい。嘘つきだなと思いました」と愚痴をこぼして会場も大笑い。土井監督が「初日の朝イチに観に行ってくださったようで。『続けて2回観てしまいました』とメールが来ました」と塚原監督の反響を口にすると、坂元は「初耳です。“片思い世界”です」と肩を落として、再び笑いを誘っていた。
それぞれ、すべてのシーンに注目してほしいという本作だが、特に「3人でバスケットボールをするシーン」をオススメした杉咲は、「クランクイン前に3人で練習する時間を取ってくださって。すずちゃんは経験者なので、引っ張ってくれて。果耶ちゃんが血眼になりながら練習に励んでいる姿に感化された。小学生か中学生の時に体育の授業で、飛んできたボールを振り払ったて突き指をするという暗い過去を持っていて(笑)。トラウマがあって、ドキドキしていた」と秘話を告白。広瀬は「『ずっとボールを触っていると感覚が追いついてくる』とよく言われるので、お2人も撮影の合間にボールを触っていた。努力家」と杉咲と清原の懸命な姿に惚れ惚れとすると、清原は「血眼になって特訓しました!」と胸を張っていた。
坂元は「広瀬さん、杉咲さん、清原さんという、いまの時代を代表するすばらしいトップの俳優の皆さん」とキャスト陣を改めて称えながら、「最初は『(3人が)出てくれるかな』という話をしていたんですが、『出てくれるらしいよ』と聞いた時に、そこからプレッシャーで逃げたくもなり。なんとか立ち向かって、自分の仕事をし、皆さんに委ねることができて、こうしてご覧いただける。3人の温かくてやさしくて、美しい登場人物たちをただただ一緒に見守るように、観ていただけたら」と呼びかけていた。
またこの日は、主人公の3人が一緒に暮らすきっかけになった12年前の出来事を演じた、子役キャストたちも登場。広瀬、杉咲、清原に花束をプレゼントした。美咲の子ども時代を演じた太田結乃は「こんなにステキな作品に、みんなが憧れている女優さん方と一緒に出演させていただき、本当にうれしくて光栄です」と感激しきり。優花の子ども時代を演じた吉田帆乃華は「撮影中は年が近いお姉ちゃんと妹ができたみたいで、とてもうれしくて楽しく撮影をすることができました」と晴れやかに語り、さくらの子ども時代を演じた石塚七菜子は「思い出に残ったシーンは、家のなかで羽を散らかすシーンです。そのシーンが終わってうがいをしたら、口の中から何本か羽が出てきたのがおもしろかったです。監督さん、また呼んでください!」と元気いっぱいに声を弾ませ、土井監督も「ぜひ!」と応じていた。
「かわいい!」と目尻を下げた俳優陣。広瀬は「(登場人物)3人の衝撃的な瞬間を体感しているのが、この3人。そこであふれている感情や表情を見るだけで、大人になってから自分たちの演じる現場を通して、いろいろと思うことがあった。3人のパワーに助け船をいただいた」と感謝を伝えた。子役キャストの撮影を「見学させてもらった」という杉咲は、「撮影の合間もずっと3人が一緒にいて、とても楽しそうにしていて。本番になるとスイッチが入って、真剣な眼差しでお芝居をする姿にグッときた」と胸を熱くし、清原は「彼女たちが生きてきたから、いまがある。自分のなかで、そういうことをすごく大事にしようと誓った部分がたくさんあった。本当にたくさん助けられました」と心を込めていた。
取材・文/成田おり枝