『グレイテスト・ショーマン』監督最新作としても話題!英国が誇るポップスターで“サル”になったロビー・ウィリアムスとは?
『グレイテスト・ショーマン』(17)で脚光を浴びたマイケル・グレイシー監督が再び放つミュージカルエンタテインメント『BETTER MAN/ベター・マン』が日本でも公開され、好評を博している。この作品は、英国が誇るポップスター、ロビー・ウィリアムスの半生を描いた伝記ドラマ。ミュージカル仕立てというだけでもユニークだが、主人公ロビーを最初から最後まで“サル”の姿で描いた奇抜なビジュアルも話題を呼んでいる。
音楽アーティストの伝記映画は少なくないが、『ボヘミアン・ラプソディ』(18)で描かれたクイーンのフレディ・マーキュリーや『ロケットマン』(19)のエルトン・ジョンといったレジェンドたちと比べると、日本ではウィリアムスの名を知らない人もまだまだ多いかもしれない!?ともかく、ある程度知っていたほうが映画をより楽しめるに違いない。というワケで本稿では、偉大なソロ・アーティスト、ウィリアムスについて改めて紹介していこう。
ビートルズにも匹敵する英国が誇るポップスター!
とにかく、本国イギリスでのウィリアムスの人気は凄まじい。1991年にボーイズグループ、テイク・ザットの一員としてデビューするや、瞬く間にスターとなり、グループを脱退して1996年に本格的にソロ活動を始めると、その人気はさらに沸騰。イギリス国内でのアルバムの総売り上げ数は2000万枚以上で、これは英国人のソロアーティストとしては最多。これまでチャートのトップに送り込んだアルバムは14枚で、こちらも最多。ちなみに『BETTER MAN/ベター・マン』のサントラもロビー・ウィリアムス名義でリリースされており、これを含めるとビートルズの15枚の記録に並んだことになる。この事実だけでも、イギリスの国民的なアーティストであることがよくわかるだろう。
テイク・ザットからの脱退、ドラッグやアルコールの依存症も
もう少し詳しくキャリアを振り返ってみよう。テイク・ザットでデビューした時、ウィリアムスは18歳で、グループの最年少メンバーだった。アイドルグループは小ぎれいであるほど幅広い層に愛されるもの。しかし、労働者階級の出身でグループ内ではヤンチャかつパンクなキャラクターでもあったウィリアムスは、年齢を重ねるほど問題児となり、マネージャーやソングライティングも手掛けるゲイリー・バーロウらほかのメンバーと対立。ドラッグやアルコールにハマッてしまったことから、グループ脱退へと至る。ここら辺のエピソードは映画のなかでも触れられている。
オアシスへの対抗心
当時の彼にしてみれば、テイク・ザットで歌うアイドル風の歌よりも、同じマンチェスター出身のロックバンド、オアシスの尖ったナンバーに共感を覚えていたようだ。しかし、オアシスの中核をなすノエルとリアムのギャラガー兄弟は、ウィリアムス以上にヤンチャでパンク。彼に対して見下したような態度を取っていたのは劇中でも描かれている。
以後、両者の確執は激しくなり、テイク・ザット脱退後のウィリアムスとギャラガー兄弟はメディアを通じてやり合っていた。これまた映画でも描かれているが、この頃の彼は人気ポップグループ、オール・セインツのメンバーであるニコール・アップルトンと交際していたが、破局。その後、彼女はリアムと結婚するという、ロビーにしてみればなんとも皮肉な運命が待っていた。