『ミッキー17』役所広司からの絶賛コメント全文が公開!二面性にフォーカスした特別映像も
『パラサイト 半地下の家族』(19)で第92回アカデミー賞4部門に輝いたポン・ジュノ監督が、『TENET テネット』(20)のロバート・パティンソンを主演に迎えた最新作『ミッキー17』(公開中)。このたび、役所広司からのコメント全文と、二面性にフォーカスを当てた特別映像が解禁された。
人生失敗だらけのミッキー(パティンソン)が手に入れたのは、何度でも生まれ変われる夢の仕事。しかしそれは、身勝手な権力者たちの過酷すぎる業務命令で次々と死んでは生き返る任務だった。ブラック企業の使い捨てワーカーとなってしまい、地獄のような日々を送るミッキー。搾取されつづけて“17号”となった彼の前にある日、手違いで自分のコピーである“18号”が現れたことで、事態が一変する…。
このたび、先日公開された役所が本作に寄せたコメント全文が解禁。第50回カンヌ国際映画祭で最高賞「パルム・ドール」に輝いた『うなぎ』(97)に主演、第76回同映画祭で『PERFECT DAYS』(23)で男優賞に輝いた役所。そして、第62回同映画祭「ある視点」部門出品の『母なる証明』(09)でカンヌデビュー後、『パラサイト 半地下の家族』で第72回同映画祭パルム・ドールの栄誉を受けたジュノ。カンヌが認め、世界で活躍するアジアを代表する2人の映画人が時を超えたエールの交換を果たした。
始まりは、役所に対して特別な思いを寄せるジュノ監督が、『すばらしき世界』(21)に主演した役所の壮絶なまでの演技に「すべてが輝いている」と驚嘆し、ロングレターを贈ったこと。その手紙には、「はたして、映画が始まってものの数分で、私たちは役所広司という俳優ではない、不遇な生い立ちを背負った一匹狼の元やくざ、三上という生々しい生き物を目にすることになる。表情や目つき、わずかな手の動きや仕草で、主人公の人生の履歴を余すところなく表現してしまう役所広司の驚くべき説得力にあらためて感服した」とし、「とにかく私たちはその過程で、アジアの大俳優、役所広司がある若い男の脇腹を食いちぎりながら爛々と目を輝かせる、奇異な名場面も目撃することになる」と感動の言葉が綴られていた。『すばらしき世界』の公開後も、役所とジュノの物言わぬ友情は続いており、本作をいち早く鑑賞した役所は、ロングレターへの返信として映画愛に満ちたコメントを寄せた。
ポン・ジュノ監督の集大成である本作について、役所は「観客を大いに楽しませながら、人間の残酷さと変わらぬ美しさをみせてくれた」と讃える。ジュノ監督は「僕は、役所広司さんをお迎えして映画を作りたいと常に思っています。細田監督もそうですが、お仕事をご一緒された黒沢清監督、西川美和監督、是枝裕和監督たちがうらやましいなぁと思いながら、嫉妬心も芽生えています」(2021年11月7日談)と語るなど、日本が誇る名優とのタッグを切望していることを公言。そして今回、役所からのコメントを受け、ジュノ監督は「役所さんのような大俳優の視点もあり、俳優以前に、観客である役所さんの率直な感想だと感じられて嬉しかったですし、自身のストーリーを投影させて自分のアンテナで観ていただけたと思うと、強く胸に響きました」と喜びをあらわに。そして、今後の展望について、「古くからのファンとして、役所さんの作品を拝見するたびに、これまで様々なインスピレーションを得ることができました。役所さんは大きな演技の幅を持った俳優さんなので、アイデアもインスピレーションも無限に浮かんでくるんです。実際にお目にかかれたらそのうち3つくらいをこっそりお伝えしたいなと思います。いまはまだ秘密です」と今後への期待を感じさせるコメントを残した。
あわせて、“人間の残酷さと変わらぬ美しさ”にフォーカスした特別映像が公開された。映像では、2人のミッキーを演じたパティンソンが「まさに人生どん底だ」と語り始め、使い捨てワーカーとなり人生どん底に突き落とされたミッキーの姿が紹介される。ミッキーに課せられたのは文字通り「危険なお死事」。「死ねば次の仕事が始まる」と嘆くミッキーは、衝突事故の実験台となったり、宇宙で放射線を浴びせられたり、謎のガス部屋に閉じ込められたりと、休む間もなく死んでは生き返る地獄のような任務に晒されている。致死率100%の仕事を続けるミッキーだが、それでも「この世界には希望がいる」と立ち上がることを決意する。映像は、「とにかくひどい扱いを受けている」、「やがてミッキーのヒーロー的な資質が見えてくる」というパティンソンのコメントに重ねて、意を決したミッキーが権力者に立ち向かって行く勇ましい姿をとらえた本編映像で結ばれる。
ブラックすぎる仕事で酷使され続けるミッキーの逆襲劇の結末は?ぜひミッキーの勇姿を劇場で見届けてほしい!