柳楽優弥、35歳の抱負は「『ガンニバル2』を世界にぶちかましたい!」「SHOGUN 将軍」から受けた刺激も語る
累計発行部数400万部を超える二宮正明の同名サスペンスコミックを実写化した「ガンニバル」完結編の全世界最速上映イベントが3月18日にTOHOシネマズ新宿で行われ、柳楽優弥、笠松将、吉岡里帆、志水心音、吉原光夫、恒松祐里、倉悠貴、澤井一希、片山慎三監督が出席した。
本作は、ディズニープラス「スター」の日本発オリジナルシリーズとして実写ドラマ化されたヴィレッジ・サイコスリラー。2022年末にシーズン1の配信がスタートすると、神秘的なロケーション、ミステリアスにして濃密な心理描写など、日本ドラマの枠を超えたクオリティが大きな話題を集めた。3月19日(金)より配信となるシーズン2では、一見美しく穏やかに見える人里離れた供花村(くげむら)が隠してきた「この村では、人が喰われるらしい」という恐ろしい噂をめぐる真相が明らかとなる。
村の真相に迫るため、狂気と暴力の渦に自らを投じる主人公の警察官、阿川大悟役の柳楽は、「シーズン1からのファンの皆さんに背中を押していただいたような形で、胸を張って送りだせるシーズン2が仕上がりました」と感謝を伝えつつ、「今日は楽しんでいってください」と呼びかけた。シーズン1からさらにパワーアップしたことをそれぞれが実感している様子で、柳楽は「シーズン2は、終点に向けて物語が進む。ペースも上がるし、アクションも増える。いろいろな見方のできるクオリティになっている。とにかくおもしろいです!」と並々ならぬ自信をのぞかせた。
供花村を支配する後藤家の当主となった後藤恵介役の笠松も「アクションがすごい」と続き、「片山監督の狂気と柳楽さんの執念に、僕らは必死に食らいついていった」と力強くコメント。片山監督は「日本のドラマにはなかなかないような派手なカーアクションなど、どのように取り組んでいくか意識して作った」とこだわりを語っていた。
新キャストとして、供花村に狂気のはじまりをもたらす女、若きころの後藤銀役を演じるのが、恒松だ。恒松は「銀を演じるのはとてもパワーがいりましたが、頑張ってよかったと思えるくらいおもしろい作品」と笑顔。倍賞美津子が演じた銀の若いころとあって「プレッシャーはありました。すごくドキドキしていました」と告白し、「原作を熟読して臨みました。漫画のなかで銀が村人から虐げられているシーンがあるんです。その一コマをiPhoneのロック画面にして、半年間くらいずっと携帯を開くたびにそのシーンを見ていて。復讐心を蓄積して、役に臨みました」と裏話を明かした。銀に見初められ、やがて渦巻く供花村の呪いに取り込まれていく神山正宗役を演じた倉は、もともと本作の大ファンだったとのこと。「この作品が好きなこともあって、お誘いいただいた時は断ろうと考えたくらい、いまもプレッシャーを感じています」と苦笑いを浮かべ、「狂っていく様を演じるのは初めて。武者修行のようで勉強になりました」と俳優としても貴重な経験をしたと充実感をにじませていた。
大悟が放つ「ボケカスが」というセリフについて、「アドリブでやったんですが、シーズン2のCMに使われていた。やってみるもんだなと思った」と笑顔で明かした柳楽。この日は、3月26日に35歳の誕生日を迎える柳楽に向けて、サプライズでバースデーケーキが贈られた。ケーキを運んだのは、大悟の妻、阿川有希(ゆうき)役の吉岡と、大悟の娘、ましろ役の志水。吉岡と志水が「おめでとう!大悟!」と声を弾ませると、柳楽は「ありがとう!阿川家!最高」と“家族”に感謝しきり。「『ガンニバル2』を世界にぶちかましたいです。Jドラマをみんなで盛り上げて、新たな時代を築きたい」と35歳の抱負を口にしていた。
イベント終盤には会場が暗くなり、後藤家が神のように崇める正体不明の大男“あの人”(澤井一希)が登場。カマを振りかざした恐ろしい姿に会場からも驚きの声が上がるなど、数々のサプライズに大盛り上がりとなった。最後に柳楽は「この作品を通して強く感じるのは、大切な人を守るということ。普遍的なテーマを扱った作品なのでぜひ楽しんでほしい」と切りだし、「僕たちも、『SHOGUN 将軍』からすごく刺激を受けました。Jドラマ、日本のドラマをディズニーさんを通して世界に見せていきたい。新たな道を切り開いていきたい」と熱っぽく宣言し、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝