犯人と人質の間に生まれる奇妙なつながり…『狼たちの午後』『普通じゃない』など“ストックホルム症候群”にまつわる映画5選

コラム

犯人と人質の間に生まれる奇妙なつながり…『狼たちの午後』『普通じゃない』など“ストックホルム症候群”にまつわる映画5選

イーサン・ホークが強盗犯をハイテンションに演じる!『ストックホルム・ケース』

監督のロバート・バドローとイーサン・ホークが、伝説的なトランペット奏者チェット・ベイカーの半生を綴った『ブルーに生まれついて』(15)以来のタッグを組んだ『ストックホルム・ケース』。なにをやってもうまくいかない悪党のラースは自由の国アメリカへ逃れるために、アメリカ人風の装いでストックホルムの銀行強盗を実行する。彼は幼い娘を持つビアンカを含む3人を人質に取り、犯罪仲間であるグンナーを刑務所から釈放させることにも成功。続けて、人質と交換に金と逃走車を要求するが、警察が銀行内に彼らを閉じ込める作戦に打って出る。さらに現場には報道陣も押し寄せるなど、事件は長期戦の様相に。そんな状況下で、ラースとビアンカたちは不思議な共感意識で結ばれていく。

【写真を見る】ハイテンションのイーサン・ホークが実在の銀行強盗犯を演じる!『ストックホルム・ケース』
【写真を見る】ハイテンションのイーサン・ホークが実在の銀行強盗犯を演じる!『ストックホルム・ケース』[c]2018 Bankdrama Film Ltd. & Chimney Group. All rights reserved.

ホークがクレイジーでハイテンションな強盗犯ラースを魅力いっぱいに演じるほか、ビアンカ役で「ミレニアム」シリーズのノオミ・ラパス、グンナー役には「キングスマン」シリーズや『裏切りのサーカス』(11)のマーク・ストロングがキャスティングされるなど、実力派たちの演技アンサブルは必見。製作には、『ゲット・アウト』(17)や『アス』(19)のヒットメーカー、ジェイソン・ブラムが参加している。劇中歌として「新しい夜明け」や「今宵はきみと」、「明日は遠く」といったボブ・ディランの名曲が全編を彩り、1970年代のスウェーデンの雰囲気を情感たっぷりに醸し出している。

ノオミ・ラパスが犯人に好意を持つ人質を好演(『ストックホルム・ケース』)
ノオミ・ラパスが犯人に好意を持つ人質を好演(『ストックホルム・ケース』)[c]2018 Bankdrama Film Ltd. & Chimney Group. All rights reserved.

犯人と人質に間に生まれる、人間が持つ不思議なつながりをユーモアやスリルを持って描くこれらの作品たち。観ているうちに犯人に不思議な感情を抱いてしまう…そんな時には、私たちの中でも“ストックホルム症候群”が発症しているのかもしれない。

文/平尾嘉浩

■『狼たちの午後』
Blu-ray 発売中
価格:2,381円+税
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント

■『普通じゃない』
DVD 発売中
価格:1,419+税
発売・販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン

■『アウト・オブ・サイト』
Blu-ray 発売中
価格:1,886 円+税
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

■『ベルリン・シンドローム』
DVD 発売中
価格:3,900円+税
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
販売元:ハピネット・メディアマーケティング

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