
2024年12月、韓国のユン大統領が無謀とも思われる「非常戒厳」を宣布した背景には、日本のマスメディアがほとんど報じることのないユン政権のメディア弾圧と、それに対抗しユン政権を追い詰めていったジャーナリストたちとの闘いがあった。韓国の調査報道専門の非営利独立メディア「ニュース打破(タパ)」が製作したドキュメンタリー映画。
ストーリー
2024年12月3日のユン・ソンニョル大統領による突然の“非常戒厳”宣布から始まった韓国の混乱。200万人規模のデモが重ねられ、立ち上がった市民たちは大統領弾劾を実現した。2025年6月の政権交代、7月のユン前大統領再逮捕に続き、8月12日にはキム・ゴンヒ前大統領夫人逮捕のニュースが飛び込んできた。無謀とも思われる“非常戒厳”を宣布した背景には、日本のマスメディアがほとんど報じないユン政権によるメディア弾圧と、それに対抗したジャーナリストたちの闘いがあった。本作では、その全貌を網羅。ユン・ソンニョルが検察総長候補者に指名された2019年から、彼の不正を追及してきた非営利独立メディア“ニュース打破”は、ユン政権によるメディア弾圧の標的となった。ソウル中央地検は、2022年の大統領選挙で、“ニュース打破”がユン候補を不利にする“フェイクニュース”を流したとして“大統領選挙介入世論操作特別捜査チーム”を編成。2023年9月14日の朝、“ニュース打破”本部と記者2名の自宅への家宅捜査が行われた。ちょうどその日は、検察の“特殊活動費”に関する記者会見が行われる予定だった。しかし、“ニュース打破”はこれに屈せず、自ら受け続ける言論弾圧をキャメラに記録し、さらなる調査報道と法廷闘争によってユン・ソンニョル政権を追い詰めていく……。