
筒井真理子
典子
森を舞台に、生きづらさを抱える叔母と甥の二人の“心の触れ合い”と“再生”を描くヒューマンドラマ。少年院を出所した18歳のユウキは、叔母・典子が営む山のキャンプ場を訪れる。他者とのコミュニケーションに生まれながら難を抱える典子は、ユウキの訪問に戸惑うが……。出演は「波紋」の筒井真理子、「DIVOC-12」の髙田万作。監督・脚本は「新宿タイガー」の佐藤慶紀。
山のキャンプ場を営む典子(筒井真理子)は、人の表情を読み取るのが苦手で、他者とのコミュニケーションに生まれながら難を抱えていた。近所に住む明夫(にしやま由きひろ)は、そんな彼女のよき理解者であった。ある日、典子のもとに突然の来訪者がやって来る。それは、1年前に少年院を出所した18歳の甥っ子・ユウキ(髙田万作)だった。典子の姉である母親を探しているという。典子は義理の兄に電話を掛けるが、ユウキと彼とはうまくいっていないとのこと。典子はユウキにキャンプ場でのバイトを提案し、「私にできることは、あなたの話を聞くことだけ」「世界の見方は皆同じじゃない」と言う典子に、ユウキは次第に心を許してゆくのだった。そんななか、典子の息子でユウキと同い年の健二(徳永智加来)が、大学の友人たちとキャンプにやってくる。絶滅の危機に瀕した珍しいコケを探す女子学生・由香理(中澤実子)とユウキは、森の植物や星など共通の話題で盛り上がるが、健二はその様子を見て嫉妬する……。