
1928年の創業から浮世絵の版画技術を守り継承するアダチ版画研究所が、現代の浮世絵を創造する一大プロジェクトを追ったドキュメンタリー。草間彌生、ロッカクアヤコ、アントニー・ゴームリーら世界的アーティストによる原画やアイディアを、彫師や摺師が江戸から伝わる超絶技巧を駆使して浮世絵に仕上げ、浮世絵の新たな世界を模索する。監督は「≒草間彌生 わたし大好き」「氷の花火 山口小夜子」などのドキュメンタリー作品を手がけてきた松本貴子。
ストーリー
江戸時代に隆盛を極め、ゴッホなどの印象派にも影響を与えた浮世絵版画。令和の今、江戸の美意識と技術を継承するアダチ版画研究所が、現代の浮世絵を創造するプロジェクトに挑戦した。絵師は草間彌生、ロッカクアヤコ、ニック・ウォーカー、アントニー・ゴームリーなど、世界的アーティストの38名。およそ5年かけて86作品を制作し、2025年春に東京国立博物館で開催される『浮世絵現代』で発表することを目指す。古典的な浮世絵とは違う世界観と多様な表現にたじろぐ若き彫師と摺師たちは、絵師の鋭い指摘に苦悩しながらも、職人としての矜持から粘り強く原画の美を掬い上げていく。カメラは浮世絵の新たな世界を模索し、殻を破る職人たちを追う。