
「21世紀の女の子」の一篇「reborn」で注目された坂本悠花里による長編監督デビュー作。周囲に馴染めず転校を繰り返す杏菜。全寮制女子校で出会った美しきルームメイト・莉花の死をきっかけに、幼なじみ・栞を巻き込みながら、杏菜は死の向こう側へと踏み込んでゆく。出演はモデルとして活躍する美絽、「矢野くんの普通の日々」の池端杏慈、TV『DOPE 麻薬取締部特捜課』の蒼戸虹子、「あのこは貴族」の門脇麦。
ストーリー
周囲に馴染めず、転校を繰り返してきた少女・杏菜(美絽)がたどり着いたのは、静かな森の奥にある全寮制の女子校。その寄宿舎で彼女を迎え入れたルームメイトの莉花(蒼戸虹子)は、美しく完璧で、誰からも好かれる少女だった。ところが間もなく、莉花は屋上から身を投げ、自ら命を絶ってしまう。残された日記には、笑顔の裏に潜んでいた苦悩や怒り、痛み、そして幼なじみ・栞(池端杏慈)との記憶や、言葉にできなかった“ある想い”が綴られていた。杏菜がその日記を読み進めるうちに、青白く揺れる鬼火のような“魂”が現れる。それはまるで、莉花の魂そのもののように、静かに杏菜の中へと入り込んでゆくのだった。一方、栞は当初杏菜を変わった子だと遠ざけていたが、杏菜を通じて莉花の魂に導かれるように、ふたりは次第に歩み寄ってゆく。「完璧な少女は、なぜ飛び降りたのか?」その問いはやがて、生き残った少女たちの心に深く染みわたり、それぞれの“わたし”が、静かに揺らぎはじめる……。