豹変と沈黙 日記でたどる沖縄戦への道
豹変と沈黙 日記でたどる沖縄戦への道
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豹変と沈黙 日記でたどる沖縄戦への道

2025年8月16日公開、104分、ドキュメンタリー/戦争/社会派
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戦中日記を丁寧に読み解くことで歴史の真実に迫ろうと挑戦したドキュメンタリー映画。

ストーリー

本作は、歴史に名を残すような軍人や政治家の日記ではなく、名もなき一兵卒らの日記に着目している。日記に書かれた戦争は殺戮ばかりではなく、昼夜を問わず強いられた行軍、腐った飯が届く最悪の補給状況、略奪した豚の肉をすき焼きにし舌鼓を打つ様子など、戦場にも日常があり、喜怒哀楽があり、無惨で異様な日々が“普通”になっていく詳細を伝えている。日記は、彼ら自身の精神が荒み人間性を壊されていく過程を無言で伝えると同時に、その一方的な視点が戦後どれだけ相対化されたのかという疑問を浮き彫りにする。つまり、中国人には日本兵らがどう見え、どう受けとめられていたか、それらを知る機会を戦後の日本社会はどれだけ創り出してきただろうか。本作は、一兵卒が見た戦場の一端でしかないが、いわば“良き父”として戦後の日本社会を形づくっていった彼らが「墓場まで持っていく」と胸の奥にしまい込んだ戦場の真実を暴いている。本作で初めて、東亜同文書院の学生が遺した当時の日記が公開された。沖縄出身の金城信隆の日記だ。1901年に設立された書院の“日中提携”という理念は、日中戦争によってどう変化していったのか、その渦中で日記に書いた揺れる胸中は、戦争の道を転がり落ちていった日本の本質を暴露している。

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作品データ

製作年
2025年
製作国
日本
初公開日
2025年8月16日
上映時間
104分
ジャンル
ドキュメンタリー戦争社会派


[c]キネマ旬報社