
レティシア・ドッシュ
アヴリル
犬の命がかかった裁判を、にぎやかでかつコミカルに描きながら、人間と動物との関係に疑問を投げかける実話からインスパイアされた傑作法廷コメディ。
訴訟に負け続け、事務所から解雇寸前の弁護士アヴリルの前に、視覚障がいをもつダリウッシュが、愛犬コスモスを連れてやってくる。3人に噛みついてしまい、法令上このままでは殺処分となるので、助けてほしいというのだ。コスモスからも迫られたアヴリルは、断り切れずに敗色濃厚な裁判を引き受ける。法律では犬は“物”と見なされ、飼い主に罰金1万フランとコスモスの安楽死が言い渡されるが、犬が“物”ではないというアヴリルの主張が認められ、犬が被告という前代未聞の裁判が始まる。その裁判は動物行動学者、哲学者、宗教家を巻き込み、次第に市民の関心を集め、裁判所に様々な団体が押し寄せる。やがて犬のコスモスに判決が言い渡されるが……。
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