
オーストラリアのシンガーソングライター、ニック・ケイヴが人生で初めて組んだバンド、ボーイズ・ネクスト・ドア改めバースデイ・パーティの6年間の軌跡を追ったドキュメンタリー。インタビューやライヴ映像、未公開映像も含む、初のバンド公認の映画作品。製作総指揮は、「ベルリン・天使の詩」のヴィム・ヴェンダース。監督は、社会派映像作家として知られるイアン・ホワイト。
ストーリー
ポスト・パンク・バンド、バースデイ・パーティ(The Birthday Party)は、1970年代前半に学校で知り合ったニック・ケイヴ、ミック・ハーヴェイ、フィル・カルヴァートによってオーストラリア、メルボルンにて結成されたバンド、ボーイズ・ネクスト・ドアを母体に、活動途中に突如バンド名を改名し、誕生した。商業性を無視し、己の魂の純粋表現のみを目的に破滅的なライヴを繰り広げた彼らは地下世界に留まらない影響を拡散し、拠点をオーストラリアからイギリス、ロンドン、ドイツのベルリンへと移し、1983年、自滅した。ヴォーカルのニック・ケイヴは現在のバンド、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズとしてグラミー賞にノミネートされるなど、40年以上のキャリアを誇りつつ、いまだアーティストとして活躍している。本作はメンバーのミック・ハーヴェイが音楽監修を担当し、バースデイ・パーティのメンバーと長年の友人である映画監督、ヴィム・ヴェンダースが製作総指揮を務めている。監督のイアン・ホワイトは社会派映像作家として知られ、オーストラリアで多くのミュージシャンのポスターとアートワークを手掛けてきた。彼は、バースデイ・パーティ最初期のメルボルンでのライヴを実際に目撃している。2000年代にギターのローランド・S・ハワードが本作の制作を始めたが、2009年にハワードが癌で他界すると、残されたメンバーとハワードの遺族からの依頼でホワイトが完成させた。それまで幾度もドキュメンタリー映画制作を打診されてきたバースデイ・パーティはすべてを断っていたが、ハワードのプロジェクトを最も信頼できるホワイトに託した。本作は、ボーイズ・ネクスト・ドア/バースデイ・パーティの6年間の軌跡をインタビューやライヴ映像はもちろん、無政府主義的な精神性、音楽の限界のみを追求した破滅的ライフスタイルをメンバー自身の言葉で語る。本作はバンドの結成、メンバーの未公開プライベート映像、アニメーション・シーケンス、未公開ライヴ映像、ロック史上最も伝説的なライヴ・アクトをフィーチャーし、バースデイ・パーティ初のバンド公認の映画作品となった。
スタッフ
監督、製作
イアン・ホワイト
製作
グレッグ・ブレイキー
製作総指揮
ヴィム・ヴェンダース
製作総指揮、音楽監修
ミック・ハーヴェイ
製作総指揮
ビル・ロード
製作総指揮
マイケル・G・マーフィー
製作総指揮
スチュアート・ソウター
製作総指揮
ジェニー・オシェイ
共同製作
リンゼイ・グラヴィーナ
編集