坂東玉三郎
六条御息所
歌舞伎の舞台を映画館のスクリーンで上映する「シネマ歌舞伎」シリーズの一作。紫式部による「源氏物語」のうち、六条御息所、光源氏とその妻、葵の上の三者の恋愛模様を新たに描く。凄艶な女心を見せる六条御息所役を坂東玉三郎、世の女性を魅了する稀代の貴公子、光源氏役を市川染五郎、光源氏の妻である葵の上役を中村時蔵が演じる。
光源氏との子を身籠る葵の上は、謎の病に臥していた。物の怪や生霊による祟りを疑った左大臣と北の方が僧に修法を行わせると、護摩を焚く僧が煙の中に高貴な身分の女の気配を感じ取る。光源氏は愛人の六条御息所のもとを訪れ、久方ぶりの再会を喜ぶ。光源氏が忙しさゆえの疎遠を詫びると、葵の上を妬む六条御息所は彼を責める。それに耐えかねた光源氏が屋敷を去ると、六条御息所は悲しみに暮れ、次第に嫉妬に狂っていく。