監督、撮影、プロデューサー
パレスチナ・ビリン村の農民イマード・ブルナートが、イスラエル軍による分離壁の建設に抵抗する村人のデモを撮影し、イスラエル人監督ガイ・ダビディと共同で作り上げたドキュメンタリー。2011年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭審査員特別賞、2012年サンダンス映画祭ワールドシネマ監督賞他、受賞多数。
ストーリー
2005年2月、パレスチナ・ビリン村で農業を営むイマードは、四男ジブリールの誕生に合わせて最初のカメラを手に入れる。ビリン村では分離壁が村の中央を通り、耕作地の半分以上が奪われることが判明する。村民は金曜日の礼拝後に穏やかなデモを始め、イマードはデモを撮影する。イマードの友人アディーブとフィールもデモに参加する。軍は人々を逮捕し始め、イマードのカメラも兵士たちに撃たれて壊される。イマードは友人のユダヤ人カメラマン・イスラーイルから2台目のカメラを譲り受ける。フィールの弟ダベアが建設現場のクレーンに登り、それをイマードは撮影する。ダベアは逮捕され、イマードのカメラは壊される。イマードは新しいカメラを購入し、3歳になったジブリールをデモに連れて行く。ある日、イマードは弟がジープで連行される様子を撮影する。その夜、兵士たちはデモで石を投げたとして子供たちを逮捕する。別の日、イマードの自宅に兵士が現れ、その様子をイマードは撮影する。連行されたイマードは数週間拘留された後、ビリン村から離れた場所で軟禁される。証拠不十分で解放されると、妻ソライヤは撮影をやめるよう懇願するがイマードは撮影を続け、3台目のカメラも撃たれる。2008年までに多くの村でも分離壁が侵入するようになり、デモが始まる。ビリン村は裁判に勝ち、より入植地に近い場所に壁を移すという決定が下されるが、一向に実行されない。イマードはトラックを運転していて分離壁にぶつかる。それが4台目のカメラの最後の映像だった。イスラエルの病院で20日間昏睡状態に陥ったイマードは、何の支援も受けられず、二度と肉体労働はできないと宣告される。デモが始まって4年、暴力は激化し、フィールが胸にガス弾を受け即死する。フィールの葬儀後のデモでアディーブが逮捕・投獄される。イマードも逮捕状を受け取るがデモの撮影に行き、カメラを撃たれる。2010年、イスラエルは古い壁を撤去し、入植地の近くに壁をつくり始める。
スタッフ
監督、編集、プロデューサー
ガイ・ダビディ
音楽
トリオ・ジョーブラン
編集
ベロニカ・ラゴアルデ=セゴー
プロデューサー
クリスティン・カムデサス
プロデューサー
セージ・ゴーディ
字幕
平井かおり
字幕監修