
吉田日出子
母
坪川拓史監督の長編第1作。地元の北海道長万部町に残っていた映画館「長万部劇場」の取り壊しを前に、その姿をフィルムに残したいと自身が呼び掛け、多くの俳優、スタッフ等が賛同、北海道、東京、長野の各地にて撮影が続けられ、9年の歳月をかけて2005年に完成したメモリアル映画。一本のフィルムをめぐり、二つの時代の物語が交差する。2005年・第23回トリノ国際映画祭にてグランプリ&最優秀観客賞受賞。主演に吉田日出子、高橋喜久代、そして、本作完成直後に惜しくも他界した高木均。本作をきっかけに坪川の全作品に出演した小松政夫による「活動弁士」の妙技も堪能できる。助演は常田富士男、あがた森魚、山田吾一、 真那胡敬二。音楽は、テューバ奏者の関島岳郎。戦前の映画館のシーンや劇中劇となる無声映画には、『上海バンスキング』でおなじみの元オンシアター自由劇場の俳優たちが出演。2025年7月5日~25日まで新宿K's cinemaにて開催の「坪川拓史監督全作品上映」にて上映。(公式な劇場公開は完成から17年が経った2022年)。
昭和のはじめ。とある田舎の映画館で、無声映画「美式天然」の到着を待つ人々がいた。その頃、このフィルムの最終巻を届けるはずの少年は、大好きなキネマ女優が主演するこの映画が悲しい結末だと知り、フィルムを砂浜に埋め、失踪してしまう。時は流れて現代。ある街に、夫が死んでから部屋にこもり花の絵を描き続ける母と、母を見守りながらもどこか冷めた感じで日々を過ごしている娘がいた。そんな二人が暮らす家に、ある日突然祖父が居候を始め、女二人の静かな生活が少しずつ流転しはじめる。二つの時代……。祖父は、むかし自分が届けなかった映画を思いながら、残り少ない自分の人生をかみしめていた。やがて、おじいさんの記憶の中の映画館で、時を越えた上映会がはじまる。
母
菜巳/お菊・花売り娘
自転車の青年
置き薬屋
親方・支配人
マスター
森川さん
アイスクリン売り
弁士
おじいさん
支配人の息子
忠之介・バイオリン弾き
忠之介の許嫁
監督、脚本、製作、音楽、編集
エグゼクティブ・プロデューサー
撮影、照明
音楽
美術
美術
美術、衣装
録音
撮影補
記録
[c]2006 美式天然
[c]キネマ旬報社