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ケイト・ブランシェットが来日!「どんなストーリーを語ってもいい」東京国際映画祭で”ディスプレイスメント・フィルム・ファンド”に込めた思いを語り、アカデミー賞の変化にも感謝

ケイト・ブランシェットが来日!「どんなストーリーを語ってもいい」東京国際映画祭で”ディスプレイスメント・フィルム・ファンド”に込めた思いを語り、アカデミー賞の変化にも感謝

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開催中の第39回東京国際映画祭(TIFF)にて10月30日、「ディスプレイスメント・フィルム・ファンド」のQ&Aが行われ、ケイト・ブランシェット(ディスプレイスメント・フィルム・ファンド 共同創設者・リーダー)、モハマド・ラスロフ(監督/プロデューサー)、シャフルバヌ・サダト(監督/脚本)が、ユニクロを展開する株式会社ファーストリテイリング 取締役およびグループ上席執行役員の柳井康治とともに出席した。

【写真を見る】TIFFにて「ディスプレイスメント・フィルム・ファンド」第1弾助成短編5作品5作品の短編が上映される。
【写真を見る】TIFFにて「ディスプレイスメント・フィルム・ファンド」第1弾助成短編5作品5作品の短編が上映される。

「ディスプレイスメント・フィルム・ファンド(DISPLACEMENT FILM FUND/DFF)」とは、ケイト・ブランシェットが代表を務め、ユニクロが創設パートナーとして支援する基金で、今回のTIFFではシャフルバヌ・サダト監督『スーパー・アフガン・ジム』、モハマド・ラスロフ監督『センス・オブ・ウォーター』、そして、マリナ・エル・ゴルバチ監督『ローテーション』、ハサン・カッタン監督『アライズ・イン・エグザイル/故郷を追われた盟友たち』、モ・ハラウェ監督『ウィスパーズ・オブ・ア・バーニング・セント/残り香のささやき』の第1弾助成短編5作品が上映される。

ディスプレイスメント・フィルム・ファンド 共同創設者・リーダーとなった経緯、思いを語ったケイト・ブランシェット
ディスプレイスメント・フィルム・ファンド 共同創設者・リーダーとなった経緯、思いを語ったケイト・ブランシェット

本ファンドの共同創設者となった経緯、その思いについてブランシェットは「多くの映画の声を、監督たちの声を、幅広く広めたいということがあります。独自(の作品)としてもそうですし、(今回のように5作品一緒に上映するような)作品群として、このような国際映画祭という場所はとても大事な場所です」と語る。「DFF自体が世界的なチャレンジであり、我々一人ひとりが考えなくてはいけない。こういう作品こそ、メインストリームに持っていかなければならないのではないかと考えている」と続けたブランシェットは「”ディスプレイスメント”というとなにか有害な報道であったり、物語だと言われたりもするのですが、それ自体がその人を特徴づけるものではなく、その一人ひとりは母親であったり、妻であったり、弁護士であったり、医者であったりと、自分の職業というものを持っています。ファンドにとって大事なものは、作家たちに自由を与え、どんな題材を取り上げてもいいということ。もちろん”ディスプレイスメント”についてのテーマもありますが、どんなストーリーを語ってもいいとしています」と、「ディスプレイスメント・フィルム・ファンド」が目指すものを明確に説明した。

『スーパー・アフガン・ジム』が上映されるシャフルバヌ・サダト監督(右)
『スーパー・アフガン・ジム』が上映されるシャフルバヌ・サダト監督(右)

ラスロフ監督はファンドからのオファーについて「いま、自分が関わっている問題を描く必要があると思いました」と振り返る。サダト監督も自身の人生で経験してきた差別等に触れつつ「居場所がなかった人たちにこのファンドをひとつのチャンスとして、自分の体のなかにこそよい居場所を見つける、そんな話をしていこうと思いました」と作品に込めた思いを明かしていた。

時間の関係で、記者からの質問は1問だけにとなり、登壇者が残念がる場面も。「もし、アカデミー賞に難民の監督や製作者の作品も出品できるカテゴリーができたら?」との質問にブランシェットは、まずはアカデミー賞が難民の監督や製作者の作品も対象になったことに触れ、「規則を変えてくださったことは、本当にありがたいと思っています。世界中で戦争や紛争が起きているなかで、自分のキャリアが続けられなくなっている人たちがたくさんいます。それを認めてくださったアカデミーに本当に感謝したいし、小さなことに思えるかもしれないけれど、とても深い意味を持っているものだと思います」と笑顔。

サダト監督(右)はユーモアを交えたトークで会場を和ませた
サダト監督(右)はユーモアを交えたトークで会場を和ませた

さらに「ロサンゼルスですでに1回スクリーニングがありましたし、11月中旬にもそういった機会があります。ファンドの作品がそこに出ること、そして、アカデミーに出ることにも期待しています。また、アメリカの人たちもこの作品を観られるという機会にもなると思います」とのブランシェットの言葉に、ラスロフ監督は「映画人として、映画がどこの上映になるのかはあまり考えない方がいいかなと思っています」と反応し、サダト監督も「”ディスプレイスメント・フィルム・ファンド”のフィルムメーカーだよねと言われるとちょっとおかしな気持ちになるかも。私が”ディスプレイスメント・フィルム・ファンドのなにが好きかというと、映画を通して人と人とを繋いでいる、そういう気持ちにさせてくれるところです。ケイトさんはケイトさんで”ディスプレイスメント”を感じる、私は私でまた違う形の”ディスプレイスメント”を感じている。(それぞれ違うことを感じているけれど)最後には究極的に、同じ気持ちになる。やっぱり似ているんだと感じるのがDFFの美しいところではないのかなと思います」とコメント。さらにサダト監督は「もし、アカデミーのカテゴリーになったら…。仮に私が受賞できるとしても、カテゴリーにはいれられたくないかも(笑)」とユーモアを交え、自分の思いをしっかりと伝えていた。

時間が足りない!との声も
時間が足りない!との声も

さらに「もし、アカデミーにカテゴリーが新しくできたら、そしてもし、ラスロフ監督やサダト監督がそのカテゴリーに出品したいとなった場合に、ユニクロは支援するか」との質問に、柳生は「もちろんプロモーションします。我々はブランドとして20年以上難民支援を続けています。国籍とか人種とかそういったことに関係なく、すべての方がアクセスできるブランドになりたいと思っているので、DFFのそれぞれの作品がそういうすてきな場所、アカデミーのような場所で認めていただけるということになれば、それに対して、積極的に応援したいと思っています!」と力を込めていた。

ラスロフ監督、ブランシェット、サダト監督はそれぞれの立場からファンド、そして映画への思いを語った
ラスロフ監督、ブランシェット、サダト監督はそれぞれの立場からファンド、そして映画への思いを語った

第39回東京国際映画祭(TIFF)は、日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区を中心に10月26日から11月4日(水)まで開催。合計204本の映画が上映される。


取材・文/タナカシノブ

「第39回東京国際映画祭」特集
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