ソン・イェジン×チ・チャンウク×ナナが明かす「スキャンダル」初共演の舞台裏「体が痛くなるほど緊張」
「人間が感じる本質的な欲望や人間関係というのは、現代を生きる人々にとっても非常に興味深いテーマ」(チ・チャンウク)
――「スキャンダル」に登場する人物たちは制約を課された時代を生きていますが、「社会から求められる自分」と「本当に自分が望んでいる人生」の間で葛藤する姿は、現代を生きる私たちにも通じるものがあるように思います。ご自身のキャラクターに現代人との共通点を感じた部分はありますか?
チ・チャンウク「人間が感じる本質的な欲望や人間関係というのは、現代を生きる人々にとっても非常に興味深いテーマだと思います。1782年に書かれた原作小説でも、このような感情を描いている。人間の本質はいまも昔も変わらないのだと感じました。だからこそ、いまの時代に生きる私たちにも共感できる物語なのだと思いました」
ソン・イェジン「本作は究極的な愛の物語であると同時に、自己実現について考える物語でもあります。『なぜ生まれてきたのか』『自分はこの世でなにをすべきなのか』『自分は誰なのか』という誰もが抱える問いを投げかけ、それぞれのキャラクターが自分自身を見つめ、知っていく旅の過程を描いています。そういう意味で、時代や置かれている状況は違っても、登場人物たちの葛藤は現代に生きる私たちにも通じる部分があると思います」
ナナ「自分の望む人生を求めるヒヨンの姿は、現代を生きる女性にも通じる部分があると思います。かつてに比べて、いまの時代は『自分のための人生』を生きようとする人が増えているように感じますし、女性たちも、自分が望む方向へ進み、幸せを求めて選択を重ねながら、自分自身の人生を築いている気がします」
「ソン・イェジン先輩はいつも“善”の目をしていて、チ・チャンウクさんはあらゆる面で頼もしい」(ナナ)
――今作で初めて顔を合わせたお三方ですが、共演するなかで、お互い“俳優としての魅力”を感じたシーンはどこですか?
チ・チャンウク「すぐに思い浮かんだのは第2話のエンディングシーンです。確か、それが初めて(ソン・イェジン)先輩との撮影だったんです」
ソン・イェジン「そうでしたね」
チ・チャンウク「初めての撮影にしては、とてもプレッシャーの大きいシーンで…『こんなに長くて、しかも大事なシーンを最初に撮るのか?』と、段取りを組んだ監督が恨めしく思いましたが(笑)、やり遂げなければいけませんでした。先輩と初めて演技を合わせた時、とても大きなエネルギーを感じ、とてつもない緊張感に見舞われました(笑)。撮影を終えて家に帰るころには、どっと疲れが襲ってきて、体の痛みを感じるほどでした。でも、僕はそれがうれしかったんです」
ソン・イェジン「うれしかったんですか?」
チ・チャンウク「ええ。体が痛くなるほど緊張しましたが、密度の高い撮影をやり遂げたという思いで、とてもうれしかったです。(ソン・イェジン)先輩とのシーンのなかで、一番インパクトがあったので真っ先に思い出しました。
ナナさんについては、第5話のエンディングでヒヨンが「生きたいです」と話す姿が衝撃的で強く印象に残っています。雨に濡れるシーンで、現場の状況もかなりタイト。僕もほかの俳優たちもものすごく苦労しましたが、そんななかでも、ナナさんは感情をうまく表現していて、とても印象的でしたし、衝撃的でした」
ソン・イェジン「チ・チャンウクさんはどのシーンでも感情の揺れを巧みに表現していらっしゃったので、チョ・ウォン役がチ・チャンウクさん以外に誰ができただろうかと思うほど、一つ一つのシーンにピタリとはまる演技をされていました。チョ・ウォンのもどかしさや息苦しさまでも見事に表現していて、本当に役に没入して演じているのがわかりました。だからこそ一つのシーンだけを選ぶのは難しいですが…。いま思い浮かぶのは、チョ夫人の葛藤が激しくなり、チョ・ウォンがチョ夫人に恨みをぶつけるように声を張り上げるシーンです。その姿は幼い頃のチョ・ウォンのようで、チョ夫人は思わず『ウォン』と呼び止めます。チ・チャンウクさんの姿がとてもリアルで、強く印象に残っています。
ナナさんが登場する場面には印象的なものが多くありますが、特に心に残っているのは初登場のシーンです。駕籠を閉める時の表情が、まるで迷子になってしまった小鹿のようで。ヘアメイクもそうでしたし、たたずまいやまなざしから『誰も私に手を出さないでください。私は弱い存在です』という心の声が読み取れて、とても印象的でした。これまで観たことのないナナさんの表情でしたね」
ナナさん「私はソン・イェジン先輩と撮影するなかで、チョ夫人の持つ“悪”の目を一度も見たことがありません。先輩はいつも“善”の目をしていて、『とても善良な心を持っている方なんだな』と感じ、信頼を寄せていました」
ソン・イェジン「ダマされたわね」
(三人で笑いあう)
ナナ「ふふふ。本当に信頼できるまなざしを向けてくださいましたよ。チ・チャンウクさん演じるチョ・ウォンのまなざしからは、優しさや冷たさ、悲しさ、虚しさまで、様々な感情が伝わってきました。その目を見ているだけで、いろいろなことを考えさせられたんです。時には『守ってあげたい』と思いましたし、一方で、私を守ってくれそうな頼もしさも感じて、自然と信じてついていきたくなりました。実際の現場でも、チ・チャンウクさんはあらゆる面で頼もしく、私にとって救世主のような存在でした。一緒に演じることができて、本当にうれしかったです」
美しくも危うい駆け引きの果てに、3人がたどり着く結末とは…ぜひ本編で確かめてほしい。
取材・文/酒井美絵子

