50年越しの“答え合わせ”!?UFO神話に向き合ってきたスピルバーグが『ディスクロージャー・デイ』で問いかけていること
「『未知との遭遇』を製作していた頃よりも、“人類以外の存在”を本気で信じている」。スティーヴン・スピルバーグ監督がそう語っているのが、『ディスクロージャー・デイ』(公開中)の予告編だ。宇宙人との接触を描いた『未知との遭遇』(77)は、センス・オブ・ワンダーにあふれたスピルバーグ作品の代名詞として語り継がれている。あまりにもリアリティがあるため、宇宙人の存在を一般人に受け入れさせるために米国政府がスピルバーグ監督に撮らせた――という都市伝説が囁かれているほどだ。
スピルバーグと盟友デビッド・コープがタッグを組んだ本作。謎の組織「ワーデックス」がひた隠しにしてきた地球外生命体に関する機密情報を盗みだした男と、自身に突如起きた異変に戸惑う女。接点のないはずの2人は、謎の男に導かれ数十年以上にわたって隠蔽されてきた真実を知る。その秘密を人類に開示しようとする彼らだったが、そこに「ワーデックス」の追手が迫り…。
本稿では、スピルバーグ作品を総括するSFサスペンスとなっている『ディスクロージャー・デイ』で描かれているキーワードやキーパーソンに着目したい。『未知との遭遇』や1970年代~90年代のテレビ番組「木曜スペシャル」(日本テレビ系)の人気シリーズだった「矢追純一UFOスペシャル」を見てきた世代にとってはおよそ50年越しとなる「答え合わせ」的な内容であり、初期スピルバーグを知らない世代には新鮮な驚きがあるだろう。
宇宙人に関する情報を操作してきた秘密組織
UFOにまつわる都市伝説で、最も有名なのが1947年に起きた「ロズウェル事件」だ。ニューメキシコ州にある軍飛行場近くに未確認飛行物体が墜落し、基地の広報官は“空飛ぶ円盤を回収した”と地元紙に発表。ところが、翌日には回収したものは“観測気球”であったと訂正した。空飛ぶ円盤と観測気球を間違えるだろうか?実はこの時、UFOだけでなく、搭乗していた宇宙人の遺体も回収されたと囁かれた。
墜落現場の目撃者や関係者には厳重な箝口令が敷かれ、その背後には当時の米政府や米国大統領であるハリー・S・トルーマンが関与していたという説もある。以降、ロズウェル事件は国家の最高機密扱いになっているという。さらにトルーマン大統領は、CIA長官をはじめとする政府高官や科学者たち12人を集め、「マジェスティック12」、通称「MJ-12」を創設したとされている。
「MJ-12」はUFOや宇宙人に関する情報をコントロールし、高度な科学技術を持つ宇宙人についての研究を進める秘密組織だったとされ、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺など米国で大事件が起きるたびに、軍や軍需産業と結びついた「MJ-12」の暗躍が噂されている。
その一方、UFOに関する情報の公開を推進する民間の団体「ディスクロージャー・プロジェクト」が1993年に誕生。2001年には記者会見を開き、UFO目撃者たちの証言を公表し、UFOブームを再燃させている。
