ゼンデイヤ×ロバート・パティンソン×クリストファー・ボルグリ監督が語る“愛”の正体『ドラマなふたり』予測不能な物語の舞台裏
パティンソンとゼンデイヤが、ボルグリ監督の居心地の良いオープンな現場を絶賛
――このストーリーは、なににインスパイアされたのですか?アイデアの源は?
ボルグリ監督「なんていうか…。人生でしょうか。愛とアイデンティティ、さらには文化の違いも。僕はアメリカ出身ではなく、この土地で新たな人生を築いてきたから、日々の生活において、大きさは様々だけど、文化の違いを感じてきました。それらを頭のなかで思い巡らせた結果、このようなストーリーが生まれたんです。アイデアは愛に似ている。恋をする相手が選べないように、このアイデアに僕はとにかく魅了され、作らなきゃという衝動に駆られました」
――過去に出演されたジャンル映画やフランチャイズ映画との違いは?
パティンソン「そう違いはないと思います。監督次第ですね。本作に関して言うと、話し合いが繰り返し行われ、僕としてはすごくやりやすかったです。単調なリハーサルは逆に苦手だし、話し合いを嫌う監督もいます。面倒くさいことを言う役者もいますから」
ボルグリ監督「確かにいる(笑)」
パティンソン「でも毎回、話し合いが必要なわけでもない。(『ハイ・ライフ』の)クレール・ドゥニ監督の場合は、話し合うことがほぼなくて、驚いたくらいです。特に演じる人物(宇宙船に乗る死刑囚役)が特殊だから。現場に行って、演じる瞬間まで自分でもどうすべきか分かっていなかったですし。でも、作品ごとにアプローチが違うというのは、役者という仕事の醍醐味でもありますね」
――演じていて一番楽しかったシーンは?
ゼンデイヤ「本作のタイトルは“The Drama”で、実際にドラマがあって、カオスが起こっているけど、現場はまったく違って穏やかでした。作品のようにドラマチックなことはなかったです。クリエイティブな現場としてはスムーズに物事は運んだわ。リハーサル中も、自由に何でも言える雰囲気があったし、なにか間違っていれば、監督が教えてくれるし。監督は一緒にいろいろと試してくれて、膨大な数の質問にも答えてくれました。すべての脚本家や監督が、役者の意見を受け入れてくれるわけではないから、クリスのオープンな姿勢には感謝しています。『これはどう?』『あれはどう?』ってね。それが作品にプラスになっていればいいのですが(笑)」
ボルグリ監督「僕は役者との時間を作るように努めています。本作は親密な映画だし、親密なシーンも多くあります。派手なアクションがあるわけではなく、2~4人が同じ空間で話し合う場面がほとんどです。だから、忙しなく各シーンを撮り進めていくのではなく、じっくり時間をかけて役者の演技を引き出すことが大事だと分かっていました。それはとても楽しいプロセスでしたね」
パティンソン「僕がこれまで観てきたラブストーリーの多くは、それぞれの自我の確立のようなものが描かれている。でも本作は違います。2人の関係は別に壊れていくのではなく、お互い相手を必死に愛そうとしているんです。そこがとてもロマンチックだと感じました。この愛にコミットしているんです。でもいろいろな障壁がそれを邪魔している。まったく見当違いなコメントかもしれないけど…。とにかくこの作品には異様にロマンチックななにかを感じます。人として成長して学ぶとかではなく、たぶん2人の関係性をなによりも大切にしているんです」
――この映画を作り、愛についてなにを学びましたか?
ボルグリ監督「人を愛するということは、その人を知ること」
パティンソン「僕は逆かな」
ゼンデイヤ「相手を知ったらダメ」
パティンソン「(監督に向かって)そういう映画なの?僕は反対意見だね」
果たして観客の方々は、本作で描かれる“愛”について、どんな感想を持つのだろうか?アフタートークも大いに盛り上がりそうな本作を、ぜひスクリーンでご覧いただきたい。
文/山崎伸子
