小室哲哉「すっごく久しぶりに歌います」角川映画音楽祭で『天と地と』主題歌披露へ

小室哲哉「すっごく久しぶりに歌います」角川映画音楽祭で『天と地と』主題歌披露へ

角川映画50周年プロジェクトの第一弾「角川映画祭」を開催中の角川シネマ有楽町で5月11日、映画『天と地と』(90)のリバイバル上映が行われ、音楽を担当した小室哲哉、出演の野村宏伸が舞台挨拶に登壇。さらに「角川映画音楽祭」(8月9日開催)のラインナップ発表会も行われ、『スローなブギにしてくれ』(81)の主題歌を担当した南佳孝、『キャバレー』(86)の主題歌を担当したマリーン、ジャズトランぺッター&ピアニストの藤井空も出席した。

『天と地と』リバイバル上映と「角川映画音楽祭」ラインナップ発表会が行われた
『天と地と』リバイバル上映と「角川映画音楽祭」ラインナップ発表会が行われた

1976年11月13日に『犬神家の一族』が公開され、日本中を席巻する華やかなスタートを切った角川映画。「読んでから見るか、見てから読むか」のキャッチコピーのもと、映画と書籍の両輪を中心にメディアミックスを続け、大きなムーブメントを巻き起こした。そんな角川映画の50周年プロジェクトとして、名作の数々を角川シネマ有楽町を中心に全国の劇場で上映する「角川映画祭」が5月1日からスタートした。

角川春樹監督の思い出を語り合った
角川春樹監督の思い出を語り合った

この日は、角川映画の代表作の1本である『天と地と』の上映後となる舞台挨拶に、小室と野村が登壇。35年ぶりに公開当時を振り返った。

同作は戦国時代を背景に、上杉謙信(榎木孝明)と武田信玄(津川雅彦)との対決を描く時代劇。監督を角川春樹が務めた。小室は「僕はまだ20代で、本当になにもわかっていない。指示のままという感じ」と笑顔を浮かべながら、当時を回顧。「合戦シーンをカナダのカルガリーで撮るということで、“見にいらっしゃい”というか、“見に来なさい”に近いかもしれないけれど(笑)」と角川監督からの言葉を思い出しつつ、「撮影の現場に行かせていただいたどころか、ディレクターズチェアの隣に座らせていただいた」と合戦シーンを目の当たりにしたという。

小室哲哉「もう1回、やりたい」と告白
小室哲哉「もう1回、やりたい」と告白

角川監督から「こうしてくれ、ああしてくれ」という指示は基本的にはなかったそうだが、「いまは本当に簡単になったんですが、時代が時代なので。(映画の)尺が変わると、音楽もそれによってテープを切ったり、貼ったり。もう1回、録り直したり」とその時代ならではの苦労もあったと語り、「打ち込みなので、1人作業がすごく多かった」と孤独を伴う作業だったとも。作業を進めるなかでは「途中、“僕で大丈夫なのかな”と思う時もたくさんありました」と不安を抱くこともあったと打ち明け、「まだまだ幼稚というか、幼かったなって。もう1回、やりたいくらいです。やり直したいところもたくさんあります」と告白した。

野村宏伸、デビュー当時を回顧!「人生が変わった」
野村宏伸、デビュー当時を回顧!「人生が変わった」

野村は、太郎義信役として出演。「カルガリーに行かせていただいて、壮大なところで撮影をした」とこちらもカナダの思い出を吐露。海外のエキストラも参加した撮影となったが、小室は「撮影を始める時は、角川さんが“スタート”って言うかなと思ったんです。でも“よーい、はじめ”だった」と笑顔。「角川さんとの思い出はいっぱいある」という野村は、「怒られて、鍛えられた。でも『天と地と』の時は、私もある程度の経験を積んでいたので、やさしかった」と楽しそうに語った。

そして角川映画50周年プロジェクトの第二弾「角川映画音楽祭」は、8月9日(日)にBunkamuraオーチャードホールにて開催される。ステージでは、出演者や演奏予定曲が明らかとなった。“角川映画といえば、この曲!”といった名曲の数々が、生演奏で披露される音楽祭となる。

「角川映画音楽祭」の出演者や演奏予定曲が明らかとなった
「角川映画音楽祭」の出演者や演奏予定曲が明らかとなった

同音楽祭で小室は、『天と地と』より「炎」の演奏、主題歌「天と地と〜HEAVEN AND EARTH〜」の歌唱・演奏に加え、映画音楽を担当した『ぼくらの七日間戦争』(88)の主題歌「SEVEN DAYS WAR」を演奏する。

「『天と地と』が大変だったので、『ぼくらの七日間戦争』は楽しい思い出しかない。本当に楽しんで作った」と目尻を下げた、小室。「始める前には、僕たちの現場に、宮沢りえさんと監督さんたちが訪問してくださった。まだ15歳くらいだったと思うんですが、その時から光っていましたね」と宮沢が主演としての輝きを放っていたと懐かしみ、「『ぼくらの七日間戦争』は映像を観させてもらいながら、それに合わせて曲と音を付けさせていただいた。劇伴ということで、それは初めての経験で楽しかったですね。無音の映像を観ながら、その場で弾いていく」と貴重な経験を果たしたとのこと。同音楽祭で「天と地と〜HEAVEN AND EARTH〜」の歌唱も披露するとあって、小室は「すっごく久しぶりに歌います。ほとんど歌っていないので」と照れ笑い。「ファンの皆さんは聴いたことがあると思いますが、一般の方はほとんど聴いたことがないと思う。“歌うんかい”って感じだと思います」と話して、会場の笑いを誘っていた。

『スローなブギにしてくれ』(81)の主題歌を担当した南佳孝
『スローなブギにしてくれ』(81)の主題歌を担当した南佳孝

『スローなブギにしてくれ』(81)の主題歌を担当した南は、「角川春樹さんから“ぜひやってほしい”ということで。片岡義男さんの原作も大好きだったので、ぜひやらせてくださいと。角川さんが、僕のデビューアルバムを聴いてくれていて。それがすごくうれしくて」とオファーがあった当初について切り出し、「台本を先に渡されて、曲はすぐにできました。片岡さんに“どういう感じの曲にしたらいいのか”と聴いたら、“スローなブギだよ…”って言われて。まんまじゃんと思いました」と同曲の誕生秘話を披露し、会場を笑わせた。

南は、薬師丸ひろ子主演の映画『メインテーマ』(84)の主題歌「メインテーマ」の作曲も手掛けており、音楽祭では同曲の歌唱も行う。同作において薬師丸の相手役オーディションに参加し、23,000人のなかからグランプリを獲得してデビューしたのが野村だった。野村は「当時は、高校3年生。ズブの素人だった。その1日のオーディションで、人生が変わった」という人生の転機では、「(監督の)森田(芳光)さんも、やさしいお兄ちゃんみたいな感じ。薬師丸さんも、やさしいお姉さんみたいで。だから、映画が好きになりました。あそこで嫌な想いをしていたら、たぶん続かなかったと思う」と出会いに恵まれたと心を込めていた。

『キャバレー』(86)の主題歌を担当したマリーン
『キャバレー』(86)の主題歌を担当したマリーン

角川映画10周年記念作品『キャバレー』(86)の主題歌「Left Alone」を担当したマリーンは、「毎回、歌うごとに違ってくる曲。同じ曲なのに、毎回変わる。二度と同じように歌えないという感じの、私の宝物のような曲」と楽曲の持つ深みについて言及。同作で映画初主演を務めた野村は、「映画の最後に、マリーンさんの『Left Alone』が流れてくる。あれが最高」と熱く称えつつ、「撮影期間はいろいろと苦労しました。監督から怒鳴られて、ノイローゼになるくらいに、飯も食えなくなるくらいに痩せ細りましたが、ああいう経験があるからこそ、トップシーンからラストにかけて顔も全然変わっているというくらい、成長していく。主人公と一緒に成長させてくれたような映画」としみじみ。「ラストにあの曲が流れると、涙が出るといういうか。いろいろな思い出が蘇ってくる」と野村にとっても特別な1曲になっているという。

ジャズトランぺッター&ピアニストの藤井空
ジャズトランぺッター&ピアニストの藤井空

ジャズトランぺッター&ピアニストの藤井は、同映画祭で『野獣死すべし』(80)のテーマ曲を演奏する。「ステキなご縁で音楽祭に招いていただいた」と感激しきり。音楽祭に向けて映画と同曲を聴いているというが、「不穏さ、危険さがびしびし伝わる曲」とテーマ曲を演奏していた岡野等のトランペットに惚れ惚れ。「自分なりの危険さ、自分なりの表現をできればいいなと思っています」と当日を楽しみにしていた。

【角川映画50周年プロジェクト】 
第一弾:「角川映画祭」は角川シネマ有楽町にて上映中、7/4(土)より大阪 シネ・ヌーヴォ ほか順次上映
第二弾:「角川映画音楽祭」 8/9(日)Bunkamura オーチャードホールにて開催
第三弾:『セーラー服と機関銃』、『時をかける少女』2027年舞台化決定