映画の感動が蘇る…!薬師丸ひろ子や原田知世が歌う青春ソングから哀愁漂う渋いナンバーまで“角川映画”を彩った懐かしの名曲15選

コラム

映画の感動が蘇る…!薬師丸ひろ子や原田知世が歌う青春ソングから哀愁漂う渋いナンバーまで“角川映画”を彩った懐かしの名曲15選

「読んでから見るか、見てから読むか」のキャッチコピーのもと、1976年の『犬神家の一族』を皮切りに映画と書籍のメディアミックスを展開し、1970年代〜80年代に大きなムーブメントを巻き起こした“角川映画”。名作の数々を、角川シネマ有楽町を中心に全国の劇場で上映する「角川映画祭」が5月1日からスタートした。

【写真を見る】5月1日よりスタートした「角川映画祭」のラインナップを懐かしの名主題歌と共にチェック!
【写真を見る】5月1日よりスタートした「角川映画祭」のラインナップを懐かしの名主題歌と共にチェック!

薬師丸ひろ子、原田知世らヒロインの発掘、高倉健、千葉真一、松田優作ら常連俳優、市川崑、佐藤純彌、深作欣二、大林宣彦といった個性豊かな監督の顔ぶれ、扇情的なキャッチコピーなど多彩な特徴を持つ角川映画。そのなかでも欠かせないのが、映画を盛り立てる“主題歌”だ。角川音楽出版、角川レコードを設立したことからもわかるように、映画音楽、主題歌にも力を入れていた角川映画の名曲の数々を、今回の映画祭上映作品からピックアップしてみた。

「セーラー服と機関銃」(薬師丸ひろ子)

今回の目玉として4Kデジタル修復版が初披露される相米慎二監督作『セーラー服と機関銃』(81)。ひょんなことから暴力団・目高組の四代目組長を襲名した高校生の星泉(薬師丸ひろ子)。正義感とチャーミングさで懸命に組を引っ張る彼女だったが、組員たちを守るため、愉快な日常を一変させる抗争に身を投じることに。

繰り返しリメイクされている角川映画の代表作『セーラー服と機関銃』
繰り返しリメイクされている角川映画の代表作『セーラー服と機関銃』[c] KADOKAWA 1981

泉がセーラー服&真っ赤なハイヒールで雑踏を歩くラストシーンで流れる主題歌「セーラー服と機関銃」は、薬師丸の歌手デビュー曲として、角川映画主題歌最大となる86万枚超のセールスを記録。もともとは作曲を担当した来生たかおが主題歌を歌う予定だったため、来生による「夢の途中」という異名同曲も同時期にリリースされ、こちらも約40万枚を超えるというヒットとなった。

「Woman "Wの悲劇"より」(薬師丸ひろ子)

同じく4Kデジタル修復版が初披露される薬師丸主演の『Wの悲劇』(84)。舞台「Wの悲劇」の重要な役に落選しながらも懸命に働く劇団「海」の研究生、三田静香(薬師丸)は、自分を気にかけてくれる劇団の看板女優の翔(三田佳子)に礼を言うため公演中に部屋を訪れるが、そこで思わぬ事態に巻き込まれてしまう。

澤井信一郎が監督を務め、音楽は久石譲が担当した『Wの悲劇』
澤井信一郎が監督を務め、音楽は久石譲が担当した『Wの悲劇』[c] KADOKAWA 1984

松任谷由実がグレタ・ガルボをもじったペンネーム、呉田軽穂名義で提供した主題歌「Woman "Wの悲劇"より」は、難解なコード進行による美しいメロディ、「(薬師丸の)存在そのものが神秘的。繊細で大胆で、いつも予測不能の詞を、ぼくに書かせた」と語る松本隆の歌詞が特徴的で、数々のアーティストがカバーするなど、いまなお名曲として愛され続けている。

「探偵物語」(薬師丸ひろ子)

こちらも4Kデジタル修復版での上映となる薬師丸主演の『探偵物語』(83)。アメリカ出発を1週間後に控えたおてんばで裕福な大学生の新井直美(薬師丸)と、彼女のボディガード兼監視役を依頼された探偵の辻山(松田優作)が殺人事件の謎解きに挑む様子を、淡い恋心を絡めながら描いた青春映画だ。

生々しいディープキスも話題となった『探偵物語』
生々しいディープキスも話題となった『探偵物語』[c] KADOKAWA 1983

オリコンチャートで7週連続1位を獲得した主題歌「探偵物語」は、作詞・松本隆×作曲・大瀧詠一というはっぴいえんどの黄金コンビが担当。もともと役者と歌手を両立するつもりがなかった薬師丸だが、この2枚目のシングルで2人と出会ったことにより、歌手を続けたいと思ったそう。転機の1作という意味でも重要な楽曲だ。

「時をかける少女」(原田知世)

当時『探偵物語』と同時上映されたのが、薬師丸と並ぶ角川映画ヒロイン、原田知世の映画デビュー作『時をかける少女』(83)。芳山和子(原田)は平凡ながらも楽しい高校生活を送っていたが、ある土曜日、理科準備室でラベンダーのような匂いを嗅いで倒れてしまう。週末を過ごし、いつも通りの月曜日を迎えるが、なぜかその次の日も月曜日が繰り返され…という大林宣彦監督による青春SFの金字塔だ。

筒井康隆の小説を原作とする『時をかける少女』は4Kデジタル修復版が初披露となる
筒井康隆の小説を原作とする『時をかける少女』は4Kデジタル修復版が初披露となる[c] KADOKAWA 1983

劇中の様々なシチュエーションで原田が歌唱する映像をつなぎ合わせたエンドクレジットで流れる主題歌「時をかける少女」は、松任谷由実が作詞・作曲を手掛け、58万枚超のヒットを記録。ちなみにシングルレコードの初回プレス盤ジャケットのピンナップポスターにはラベンダーの匂いがついていたという。

「愛情物語」(原田知世)

原田が翌年の1984年に主演した『愛情物語』。孤児だった過去を持つミュージカルスター志望の美帆(原田)は、育ての母の治子(倍賞美津子)と「拾われた時に持っていた赤いトゥーシューズが足に合ったら、誕生日に赤いバラを贈ってくる“足長おじさん”を探す旅に出てもいい」と約束しており、ついにその日がやってくる。

角川春樹がメガホンを握り、赤川次郎の小説を映像化した『愛情物語』
角川春樹がメガホンを握り、赤川次郎の小説を映像化した『愛情物語』[c] KADOKAWA 1984

映画と同名の主題歌「愛情物語」は、数々の名曲で知られる林哲治が作曲を手掛けており、温かみのある作品のテイストにマッチしたスローテンポのナンバーで、「愛に帰りたい」という切実な歌詞に寄り添うように歌う原田の優しい歌声が印象的だ。

「晴れ、ときどき殺人(キル・ミー)」(渡辺典子)

『伊賀忍法帖』(82)のヒロインオーディションを兼ねた「角川映画大型新人女優募集」でグランプリに輝き、薬師丸、原田と共に“角川三人娘”として人気を集めた渡辺典子の主演作『晴れ、ときどき殺人』(84)。大学生の北里加奈子(渡辺)は、死の間際の母から目撃した殺人事件の偽証をしたという衝撃的な告白をされる。真犯人の名を告げぬまま母の通夜には、怪しい人物たちが続々と集まり…。

角川三人娘の一角である渡辺典子が主演を果たした『晴れ、ときどき殺人』
角川三人娘の一角である渡辺典子が主演を果たした『晴れ、ときどき殺人』[c] KADOKAWA 1984

主題歌「晴れ、ときどき殺人(キル・ミー)」は映画の音楽を担当した宇崎竜童が作曲、その妻の阿木燿子が作詞を担当。交響曲のような壮大なメロディにマッチした渡辺の歌声が爽やかなナンバーとなっている。


「角川映画祭」
5月1日(金)より角川シネマ有楽町ほか順次開催
https://cinemakadokawa.jp/kadokawa50/