ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライトら巨匠の傑作!『ブレードランナー』や『007』など映画で楽しむモダニズム建築

コラム

ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライトら巨匠の傑作!『ブレードランナー』や『007』など映画で楽しむモダニズム建築

シーツ=ゴールドステイン邸(ジョン・ロートナー)

ライトの影響を受けたモダニズム建築家がジョン・ロートナー。彼が手掛けた個性的な住宅のなかでも、幾何学模様のようなテーブルとソファ、全面ガラス張りのリビングが印象的な“シーツ=ゴールドステイン邸”は、映画やMVなどで繰り返し使用されてきた。

『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(03)では、アレックス(ルーシー・リュー)の父親(ジョン・クリーズ)の家として登場するほか、コーエン兄弟の『ビッグ・リボウスキ』(98)では騒動の糸を引くポルノ界の大物トリホーン(ベン・ギャザラ)の豪邸として、悪役像を際立てるのに一役買っている。

ちなみに、ロートナーが手掛けた住宅の一つ“エルロッド・ハウス”は、『007/ダイヤモンドは永遠に』(71)で、ボンド(ショーン・コネリー)が敵と格闘を繰り広げる大富豪ウィラード・ホワイト(ジミー・ディーン)宅として使用されるなど、ロートナー建築はその豪華さから悪役の家として登場することが多いようだ。

ノース・クリスティアン・チャーチ(エーロ・サーリネン)

頂点に十字架をこしらえた尖塔が目を引くノース・クリスティアン・チャーチ(『コロンバス』)
頂点に十字架をこしらえた尖塔が目を引くノース・クリスティアン・チャーチ(『コロンバス』)[c]Superlative Films/courtesy Everett Collection

巨匠たちが手掛けたモダニズム建築の宝庫として知られるインディアナ州の小さな田舎町コロンバス。この場所を舞台にしたコゴナダ監督の『コロンバス』(17)は、建築学者の父が講演先で倒れたという報せを受けコロンバスに飛んだ主人公のリー(ジョン・チョー)が、街で知り合った女性と建築を巡るという内容で、多くの個性的な建物が登場する。

そのなかでも“ノース・クリスティアン・チャーチ”は、エーロ・サーリネンが手掛けた最後の建築物で、天高くそびえる尖塔に対し低く広がった屋根のコントラストが特徴的だ。

映画では建築物を次々と巡っていく(『コロンバス』)
映画では建築物を次々と巡っていく(『コロンバス』)[c]Superlative Films/courtesy Everett Collection

このほかにも、シンプルながら美しい“ミラー・ハウス”や“アーウィン・カンファレンス・センター”、エーロの父親エリエルが手掛けたファースト・クリスチャン協会、エドワード・チャールズ・バセットが設計した“コロンバス・シティ・ホール”、マイケル・ヴァン・ヴァルケンバーグによる“ミル・レース・パーク”の展望タワー…と多くの建築を楽しめる。

シーグラム・ビルディング(ミース・ファン・デル・ローエ)

“近代建築の3大巨匠”として挙げられるミース・ファン・デル・ローエ。“ファンズワース邸”、“トゥーゲントハット邸”などで知られており、代表作“バルセロナ・パビリオン”に焦点を当てて、彼の思想に迫っていくドキュメンタリー『ミース・オン・シーン』(18)なども作られるほどの権威だ。

『ティファニーで朝食を』ではシーグラム・ビルディング前の広場で主人公たちが話し込む場面が登場する
『ティファニーで朝食を』ではシーグラム・ビルディング前の広場で主人公たちが話し込む場面が登場する[c]Everett Collection/AFLO

そんな彼の代表作が“シーグラム・ビルディング”。ニューヨークのミッドタウン、52丁目と53丁目のパーク街に立つ高層ビルは、ガラス窓とブロンズの枠が繰り返される合理的なデザインが特徴的で、アメリカ合衆国国家歴史登録財にも指定されている。

ニューヨークの中心地という場所柄もあり、オードリー・ヘプバーンが広場の縁石に腰かける『ティファニーで朝食を』(61)を筆頭に『赤ちゃんはトップレディがお好き』(87)、『大都会の女たち』(59)、『ミザリー』(90)、『3人のゴースト』(88)など多くの作品に登場してきた。


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