「タイムリーなテーマ」「現実でも起こりそう」…初鑑賞者が驚きの嵐だった『機動警察パトレイバー2 the Movie』を、いまこそ4Kリマスターで観るべき理由
押井 守をはじめとしたクリエイター集団「ヘッドギア」が生みだし、OVAシリーズから漫画、劇場版、テレビアニメ、小説、ゲームなど、ありとあらゆるメディアミックスで展開してきた「機動警察パトレイバー」シリーズ。その1993年公開の劇場版第2作『機動警察パトレイバー2 the Movie』(以下『パト2』)を4Kリマスター化した豪華仕様の4K ULTRA HD Blu-ray「機動警察パトレイバー2 the Movie 4Kリマスターコレクション」が3月25日に発売された。
そこでMOVIE WALKER PRESSでは、1月に発売された「機動警察パトレイバー 劇場版 4Kリマスターコレクション」に引き続き、シリーズファンのベテラン社員や『パト2』初鑑賞となる若手社員らを集めて本商品の社内試写を実施!本稿では、作品鑑賞後に回答してもらったアンケートの感想コメントをピックアップして紹介しながら、「第1作との違い」や「現代にダイレクトに通じるテーマ性」、そして「4Kリマスターでどれだけの進化を遂げたのか?」など、たっぷりとひも解いていきたい。
「鑑賞時の世界情勢によって見え方が変わってくる」
ロボットテクノロジーが急激に発達した近未来の東京を舞台に、“レイバー”と呼ばれるロボットを使った犯罪に立ち向かう「特車二課」=通称“パトレイバー”たちの活躍を描く「機動警察パトレイバー」シリーズ。1989年に公開された劇場版第1作『機動警察パトレイバー 劇場版』の後、同年秋から約1年にわたってテレビアニメシリーズ(「ON TELEVISION」)が全47話で放送され、それに続くOVAシリーズ(「NEW OVA」)が1990年秋から全16巻で展開。
それらを経て公開された劇場版第2作『機動警察パトレイバー2 the Movie』では、「ON TELEVISION」「NEW OVA」とは異なるストーリー軸として、劇場版第1作の3年後の物語が描かれていく。2002年の冬、特車二課第二小隊の初代隊員たちがそれぞれの道を歩みはじめるなか、横浜ベイブリッジが爆破される事件が発生。第二小隊の隊長である後藤喜一(声:大林隆之介)は、独自にその真相を探りはじめ、元自衛官の柘植行人(声:根津甚八)という男にたどり着くこととなる。
「第1作よりも人間にフォーカスが当てられていて、ここまで違うテイストになるとは予想していませんでした」(20代・女性・初鑑賞)
「レイバーの出番がかなり減って、SFアクションよりも社会派サスペンスの側面が強くなっている点が興味深い」(20代・男性・初鑑賞)
「前作よりも大人向けで考えさせられる内容になっている」(30代・男性・初鑑賞)
「前作より実写に近く、政治サスペンス色が強くなったストーリーと相まって重厚な物語になっていると感じた」(30代・女性・初鑑賞)
今回の社内試写で初めて本作を鑑賞した社員からの声で目立っていたのは、やはり作品のテイストの大転換について。前作では泉 野明(声:冨永みーな)と篠原遊馬(声:古川登志夫)を中心に、隊員たちの活躍をエンタメ感たっぷりに描いたのに対し、今作では後藤や課長代理の南雲しのぶ(声:榊原良子)を中心にシリアスな空気感が倍増。「押井監督が描きたいことやチャレンジしたいことがより凝縮されているような気がしました」(20代・男性・初鑑賞)という言葉からもわかるように、こうした同じ世界観を様々な視点やスタイルで語る手法が、シリーズの拡張を可能にしたのだろう。
一方で、これまで何度も本作を観てきたシリーズファンの社員からは「一切古くなることもなく、鑑賞した時の世界情勢によって見え方が変わってくることこそが本作の最大の魅力だと感じた」(30代・男性・鑑賞済)との声も。本作で描かれるのは、迫り来る“戦争”という脅威。戦後日本が歩んできた平和な世界のなかに隠れた綻びや、戦争と平和の表裏一体性を鋭く指摘するストーリーやセリフの数々が、現代を生きる我々にも強く響く。
「新たな紛争や虐殺が起き、国内でも憲法改正の動きがあるいま、とてもタイムリーなテーマ。見えない相手や不安からの混乱など、現代の私たちの生活にも置き換えられると感じた」(20代・女性・初鑑賞)
「アメリカが中東を巻き込んで戦争を始め、世界が右傾化していくなかで、現実でも起こりうる話だと思った」(30代・男性・初鑑賞)
「生まれる前のことなので当時の日本の空気感はわからないが、漠然とした社会への疑念や不安感があったのだと感じた。いまもその空気感から地続きのところにある」(20代・男性・初鑑賞)
まさに不安定な世界に突入した2026年にこそ観るべき作品といえるだろう。なかでも印象的なセリフとして多くの社員が挙げたのは、荒川茂樹(声:竹中直人)が後藤に告げる、「戦争はいつだって非現実的。戦争が現実のものであったことなどただの一度もありゃしない」「戦争が平和を生むように、平和もまた戦争を生む」の2つの言葉だ。
「後藤さんと荒川さんの対話から、戦争とは?平和とは?と考えさせられました」(20代・女性・鑑賞済)
「いまの世界情勢を踏まえると、映画やドラマ、アニメ作品でこういった作品をつくることの重要性が身に染みてわかってくる」(30代・女性・初鑑賞)
「戦争ですら当事者にならないと現実として受け止められない人間の性質を射ていると思いました。たぶん私も、心のどこかでそう感じていたのかも…」(30代・女性・初鑑賞)
