一人の科学教師に人類の命運が託された理由とは?キーワードでひも解く『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の世界

一人の科学教師に人類の命運が託された理由とは?キーワードでひも解く『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の世界

唯一、アストロファージの影響を受けていない恒星タウ・セチ

地球から約12光年離れたところに位置する太陽に似た恒星。アストロファージの観測を続けた対策チームは、その感染が太陽、金星間だけでなく銀河系のいたる場所で行われていることを知る。ところが、くじら座の恒星タウ・セチだけは、周囲の星々が感染しているにもかかわらずアストロファージの影響を受けていなかった。なぜタウ・セチは無事なのか、その理由を探るためストラットらは研究者の派遣を検討する。問題は太陽系からほかの恒星に移動する技術がないことだったが、アストロファージのエネルギーを利用すれば恒星間航行が可能なことが判明。アストロファージを推進力にする、スピン・ドライヴ搭載の宇宙船の建造が始まった。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

恒星タウ・セチがアストロファージに感染されていない理由を探るため、宇宙船を派遣するプロジェクト。パイロット、エンジニア、科学者からなる3人のクルーが恒星間宇宙船「ヘイル・メアリー」号でタウ・セチに行き、アストロファージ対策を解明、そのデータを小型宇宙船「ビートルズ」に積んで地球に送り返す計画だ。この小型船は予備機を含め4機が搭載されているが、これはイギリスの4人組のバンド「ビートルズ」のパロディ。彼らの楽曲「トゥ・オブ・アス」も劇中で流されるなど、イースターエッグとして使われている。燃料の都合上、片道切符になるためクルーにとってヘイル・メアリー号は終の住処。船内には全天周囲モニター風ルームもあり、地球の景色を投影して故郷の気分に浸ることができる。

恒星タウ・セチがアストロファージに感染されていない理由を探る
恒星タウ・セチがアストロファージに感染されていない理由を探る

へイル・メアリー号は光速に近いスピードで航行できるため、約12光年先のタウ・セチまでの往復にかかるのは20~30年。人類滅亡までカウントダウン状態という「宇宙戦艦ヤマト」並みに差し迫ったスケジュールだ。ちなみに、“ヘイル・メアリー”とはアメフトの試合終了間際に一か八かで投げるロングパスのこと。その名の通り、運を天に任せた厳しいミッションなのだ。


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