「オスカー候補ティミーの演じっぷりを全身で感じて」「“最低で最高”ってこういうことか!!」…A24最大のヒット作『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』が巻き起こす熱狂をひも解く
「スリリングでハプニングだらけ、いろんな意味でぶっ飛んでる」…鬼才ジョシュ・サフディが放つフルスロットルの映像体験
監督を務めたのはジョシュ・サフディ。これまで弟ベニーと共に『グッド・タイム』(17)、『アンカット・ダイヤモンド』(19)を発表してきたが、今回満を持しての単独デビュー作となる。追い詰められた男がそこからなんとか抜けだそうと奮闘し、意に反してどんどん首が回らなくなっていく様を描く際の圧倒的スピード感、最悪なのに笑えてしまう切れ味鋭いユーモアは健在だ。
また、撮影監督としてデヴィッド・フィンチャーの『セブン』(95)やミヒャエル・ハネケの『愛、アムール』(12)をはじめ、近年はアリ・アスターの『エディントンへようこそ』(25)に参加しているベテラン、ダリウス・コンジが名を連ねている。サフディ監督とは『アンカット・ダイヤモンド』に次ぐタッグだ。複数のカメラと広角レンズを同時に使って、卓球のめまぐるしいラリーの応酬を捉えたかと思えば、35mmフィルムとヴィンテージレンズを使いながら1950年代ニューヨークの空気感を創出。ドキュメンタリー映像かと思うほどの質感にぐんぐん引き込まれてしまう。
「ラケットの鋭い音、汗の飛沫、1点を巡る心理戦がスクリーンを震わせる迫力で展開され、観る者を試合の渦中に引きずり込む」
「古着好きとしては気になっていた1950年代の景色やファッションが見応えあって楽しめた」
「スリリングでハプニングだらけの珍道中、浴槽は落ちるし、銃で撃たれるし、いろんな意味でぶっ飛んでる映画でした」
「A24らしい独特な感じもありつつ、80年代の音楽があふれててよかった!」
ちなみに、マーティとエンドウが再会を果たす日本でのエキシビションマッチのシーンは、東京の上野恩賜公園の野外ステージで撮影されている。見慣れた日本の風景にシャラメがいるのは映画ファンにとってはうれしい光景だ。
「美術も本当に脱帽!上野恩賜公園行くぞ」
「エンドウとの白熱した試合や、昭和の日本にティモシーがいる絵面も見どころ」
「地上波で深夜に観たような映画の質感もありつつ最高の劇伴と演技。照明の絞られた世界選手権とラストの野外での試合が対照的で印象的だった」
「音楽、映像、ストーリーすべてが美しい」「『国宝』が脳裏をよぎった」…感動と興奮が押し寄せる、あっという間の149分
最後に、試写会参加者からこれから本作を観る人に向けてのオススメポイントも紹介。観終わったあとも興奮冷めやらぬ様子で、誰もが劇場での鑑賞を推奨している。
「今年イチは、確定したと思ってる!欠点が見当たらない素晴らしい映画!音楽、映像、ストーリーすべてが美しい」
「“最低で最高”ってこういうことか…!!無鉄砲さと不屈の信念をこれでもかと浴びられる」
「卓球シーン胸アツすぎて、ラストのシーンは自分の経験と重なって、深く深く沁みました」
「149分の長さをまったく感じさせないアツい戦いがそこにあるッッ!」
「野心のため手段を選ばない主人公の姿は『国宝』の喜久雄が脳裏をよぎりました」
はたして、マーティは夢をつかみ取ることができるのか?そして、栄光と挫折、葛藤、屈辱の先に彼が見つけた「“No.1”より大事なもの」とは?最低で最高なクズ男が繰り広げる爽快な悪あがき『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』を絶対に見逃さないで!
文/平尾嘉浩
