高畑充希、最終章『ウィキッド 永遠の約束』日本語吹替版最速上映に万感「この日を待ち望んでいた」
20年以上愛され続けている不朽のミュージカルを映画化した『ウィキッド ふたりの魔女』(24)の続きを描く最終章『ウィキッド 永遠の約束』(3月6日公開)。本作の日本語吹替版最速上映イベントが3月3日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、日本語吹替版キャストを務める高畑充希、清水美依紗、海宝直人、入野自由、kemio、ゆりやんレトリィバァが出席した。
名作小説「オズの魔法使い」で少女ドロシーが迷い込んだ「オズの国」で最も嫌われた“悪い魔女”と最も愛された“善い魔女”の過去を、それぞれの視点から明らかにする本作。数多くの受賞歴を誇るジョン・M・チュウが前作に続いて監督を務め、第83回ゴールデン・グローブ賞でも演技賞と歌曲賞にWノミネートされたエルファバ役のシンシア・エリヴォ、グリンダ役のアリアナ・グランデのほか、フィエロ役を務める、日本でも大ヒットした『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(25)のジョナサン・ベイリーら豪華キャストも再集結した。
いよいよ最終章の公開が近づき、自由のために孤独に戦う“悪い魔女”エルファバ役の高畑は「この作品や役が手を離れてしまうようで、少し寂しい気持ちでこの場に立たせていただいています」としみじみ。
本作でのエルファバについて、「どんどん悪に仕立て上げられていく様が加速して、こうしたいのにうまくいかない、伝えたいのに伝わらないと、もどかしいシーンも多かった」という。「収録しながらも、つらいなと思っていました」と明かしながら、「涙腺にくる曲が多いので、映像を見ながら、泣かないように頑張っていました」と語った。一方、オズの民衆の希望である“善い魔女”グリンダ役の清水は「前作に引き続き、グリンダはかわいらしさやチャーミングさを持ちながらも、今作では葛藤をしていく。その葛藤やより成長した部分を、声に乗せるのが難しかった。大人になったグリンダを意識しました」と、さらに深まったキャラクター性やドラマ性を体現するうえでの苦労を口にしていた。
エルファバとグリンダが歌う「フォー・グッド」は、最終章を代表する楽曲となる。エルファバとグリンダの本心と、互いの心からの感謝が美しい旋律と共につづられる1曲だ。
高畑は「イントロでヤバい」と涙腺を刺激される曲だと切りだし、「1作目、2作目を通して、初めて美依紗と一緒にブースに入って、顔を見て収録できたのが、この曲」だと告白。一緒に収録ができたことで「目線やちょっとした顔の動きにもすごく助けられたし、気持ちを持って行ってもらえるところが大きかった」と感謝を伝えた。清水も「目を見ながら歌うだけで、涙腺がヤバかった」と苦笑いを見せながら、「シンシアとアリアナは、手を繋ぎながら歌っていた。そのような気持ちで歌わせていただいた」と回想。「涙が出そうになったけれど、高畑さんと一緒にこの作品を背負うという、感謝の気持ちであふれていた。楽曲自体『あなたに出会えたから、いまの私がいる』という曲。高畑さんに対しても、『ありがとうございます』という気持ちを込めて歌った部分もあります」と劇中同様、お互いへの気持ちを込めたと共鳴し合っていた。
劇中では、エルファバとグリンダのそれぞれの選択が描かれる。ステージでは、「エルファバとグリンダは気持ちはつながっているけれど、道を違えてしまう。そんな時、どのように向き合っていくか?」という質問が投げかけられた。
「このお仕事を始めて20周年」だという高畑は、「クランクアップや千秋楽など、現場でみんなでものすごく一生懸命作っても、終わりがくる。そんな時に、先輩方から『続けていたら、絶対にまた会えるから』と言われて。それを胸に、もうちょっと続けてみようと思えた。別れるのは寂しいけれど、それに勇気をもらって前進してきた。また10年経って会えたりすることも多いので、別れも悪くないなと思います」と笑顔を見せた。清水は、「人って、その時々でいろいろな選択をしている。自分と違う選択をしている人たち、選択していることに、お互いに誇りを持つことが大事。リスペクトし合うことを大事にしています」と語った。
また映画のタイトルにちなみ、それぞれが「永遠に変えたくない○○」というお題にフリップを使って回答する場面もあった。
ボック役の入野は「声」と書いたフリップを掲げ、「プライベートではしっかりと年を重ねた、深みのある声になっているといいなと思う。声優としては10代のキャラクターの声をやることもあるので、キャラクターの声は変わってほしくない。努力したい」と声優ならではの悩みを吐露。「音楽」と答えた清水は、「私は歌っている時が、本当に一番幸せ。歌っている時の自分を好きでいることは、変わりたくない」と力強くコメント。フィエロ役の海宝は「行きつけのラーメン屋の味とメニュー!」とつづり、「ラーメン屋さんってたまに、進化という名目で味が変わったりする。ラーメンは僕の生きがいのひとつでもあるので、変わってしまうのは死活問題」と訴え、会場の笑いを誘った。
ファニー役のkemioは「人にワクワクする気持ち」を永遠に忘れたくないといい、「年々、人に会うのが面倒くさいと思ってしまう時もある。でもどんな出会いも面倒くさいと思わず、先入観を持たずに出会っていく気持ちは忘れたくない」と心に刻んだ。
シェンシェン役のゆりやんは、「自分」とのこと。「最近、恋愛心理学のYouTubeを観ている。そうすると、『恋愛をうまくいかせるためには、人にああなってほしい、こうなってほしい、振り向いてほしいと思っても意味がない。人を変えることはできないから、自分が変わるしかない』という答えに行き着いている」と動画内のアドバイスを紹介しながら、「でも、人が変わってくれたらいいのに。自分は変えたくない」と正直に打ち明けて、周囲を笑わせた。「脱・花粉」とフリップに書いた高畑は「今年と昨年、花粉症が来ていない。これが一生、続けばいいのに」と願いつつ、「『私は花粉症ではない』と思い込むことが大事」と持論を述べていた。
最後に清水は「音楽も映像美もすばらしい」と改めてアピール。高畑は「前作を映画館で観た時に、『ここで終わるんかい!』と続きが気になりすぎて。興奮と感動と、お客さんとして『いつまで待てばいいんだ』とすごく思った。私自身、この日を待ち望んでいた。日本語吹替版を観ていただけること、すごくうれしく思います」と最終章のお披露目に興奮しきりで、「この作品が本当に好きで。ステキな作品に関われたことに、感動しています。オーディションを受けようと思い立ったあの時の自分、『やったね、よかったね』と思う」と本シリーズへの愛情をあふれさせていた。
取材・文/成田おり枝
