成田凌が明かした、映画『#拡散』に懸けた覚悟。沢尻エリカは久々の映画出演も「頼もしかった」
映画『#拡散』の初日舞台挨拶が2月27日にTOHOシネマズ 日比谷で行われ、成田凌、沢尻エリカ、山谷花純、赤間麻里子、船ヶ山哲、鈴木志音、白金監督が出席した。
映画『ゴールド・ボーイ』(24)で製作総指揮を担当した白金(KING BAI)が原案と編集、監督を務め、『あゝ、荒野』(17)や『アナログ』(23)、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(24)の港岳彦が脚本を手掛けた社会派ドラマ。ワクチン接種をした翌朝に妻を亡くした介護士の浅岡信治(成田)。妻(山谷花純)の遺影を掲げ、病院の前で抗議を続ける姿に興味を持つ新聞記者の福島美波(沢尻)。取材中、美波が撮った1枚の写真によって、信治が“反ワクチンの象徴”に祭り上げられていく様子をリアリティと圧巻のエネルギーを持って描く。
ステージに上がった成田は「ここ(ステージ)は涼しくて、エリカさまが上機嫌です」と紹介し、沢尻が「裏がめちゃくちゃ暑くて!」と大きな笑顔を見せるなど、冒頭から息ぴったりの様子を披露。初めて共演したのは『人間失格 太宰治と3人の女たち』(19)だと語った成田は「それが6年ほど前。がっつりお芝居をするのは初めて。毎日ワクワクしていました」、沢尻も「楽しかったです」と充実の撮影になったという。
成田と沢尻は、現場ではロケ地となった富山県の情報交換をしていたとのこと。成田は「日本酒はなにがおいしいらしい、水曜日にしか入らないらしいなど、おいしいものの情報交換をしていましたね。他愛もない会話」とにっこり。「常に勢いがある人間なので、現場にいるとすごいですね。力を感じます」と沢尻のパワフルな表情を明かしながら、「沢尻さんが早めに東京に帰られたんですが、現場に残されて士気がだいぶ下がりました」と素直に打ち明けて会場を笑わせた。沢尻は「すごく現場を引っ張ってくれる」と成田の印象を吐露。「映像の作品で仕事をするのがすごく久しぶりだったのでちょっと緊張していたんですが、頼もしいなと思いながらやっていました」と感謝しきりだ。
事務所の先輩だという沢尻との共演に特別な想いを打ち明けたのが、山谷だ。以前から、沢尻への強い憧れがあったという山谷。
「夢のような時間」と本作での共演に感無量で、「同じシーンはなかったんですが、一緒の台本を持って現場に行けるというのがすごくうれしくて。今日は一緒に舞台挨拶に立たせていただいて、ずっとこれまで客席に座ってエリカさんの舞台挨拶を見学させていただいて…」と続けると思わず涙。声を震わせながら「当時、いつか同じ舞台挨拶に出たいと思っていて。その夢が今日、叶って。すごくうれしいです」と込み上げる想いを口にし、「ずっと待っていたし、この場所でこの言葉をいうのは間違っているかもしれないですが、『おかえり』っていう言葉を伝えたいです」と気持ちを届けた。
成田が差し出したハンカチで山谷が涙を拭うなか、沢尻は「めっちゃうれしいです!」と胸を熱くしながら、「この映画の撮影をする前に、たまたまワークショップで会っていて。手紙をもらって、熱い気持ちをもらっていて。うれしいなと思っていた」と告白。ロケ地となった富山では「すごく仲良くなった」そうで、「毎日いろいろなところに行った。ご飯に行ったり、スナックに行ったり、ジャズバーに行ったり。肩組んでホテルまで帰ったり」とすっかり意気投合したと話す。山谷は「いまでは、お姉ちゃんのような存在になりました」と沢尻と笑顔を見せ合っていた。
また劇中では主人公の信治がふとしたことをきっかけにSNSにハマっていくことから、「思いのほか、ハマっていること」を発表する場面もあった。沢尻は「一度ひとつのことをやり始めると、すごいハマっちゃう性格」と切り出し、「ゲームの『桃鉄』(桃太郎電鉄)ってあるじゃないですか。小学生の時にやったぶりで、久しぶりにやってみたら、あまりにもハマってしまって。コンピューターと対戦していて、全駅を買い占めると電車がゴールドになるんです。マジで輝くんです!びっくりしちゃって」と説明。「ただの暇人です」と付け加えて、会場の笑いを誘った。すると成田も「ゲーム」だと目尻を下げ、「広告で出てきて、ちょっとやらないと進まないやつにめっちゃハマる」と楽しそうに話していた。
最後に白金監督は、「『#拡散』は皆さんが観て、いろいろな感想を語り合うことで始まる。映画として、まだ未完成です。ぜひ語り合ってほしい。モヤモヤしたり、怒ったり、笑ったりすると思う。そういう感情が誕生するだけで映画の成功だと思う」と想いを巡らせ、「重く、難しいテーマかもしれないですが、いまやるべき作品だと確信しています」と胸を張った。成田は「映画は、時代を切り取るものだと思っている。とてもチャレンジングな企画をいただいた時に心が躍った。同時にこれに乗ってしまったら、叩かれる、炎上する可能性もある。でも映画人としてはこの時代にやらなければいけない作品だと、脚本に一目惚れした」と熱っぽく振り返り、「皆さんと一緒にこの作品をつくることができて、やっと初日を迎えることができてとてもうれしく思います。観てもらって、感じていただいて、話していただいて、拡散していただいて、初めてこの映画が完成するのではないかと思っています。楽しんでいただければ幸いです」と願い、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝
