アルコ&ピース平子祐希、初の小説連載!「ピンキー☆キャッチ」第46回 代表者

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アルコ&ピース平子祐希、初の小説連載!「ピンキー☆キャッチ」第46回 代表者

MOVIE WALKER PRESSの公式YouTubeチャンネルで映画番組「酒と平和と映画談義」に出演中のお笑いコンビ「アルコ&ピース」。そのネタ担当平子祐希が、MOVIE WALKER PRESSにて自身初の小説「ピンキー☆キャッチ」を連載中。第46回はついに本当の黒幕が現れる…!?

ピンキー☆キャッチ 第46回 代表者

先ほどまでのおどけた姿から一転し、心の底から一同を見下げるようにあごを向けてきた。一瞬で空気がキンと冷え込むと、吉崎がみんなを庇うように前へ踏み出た。

「しかし・・・この星の軍事レベルを脅威に感じているからこそ、非核保有の国を・・この日本を選んだんだろう!?」

男はふと笑顔に戻り、再び大きな身振りで語り出した。

「確かに!核を持たぬ日本を選んだのは意図してのことです。しかぁし!理由が違います!我々を脅威に思い下手に核を使われたらどうなります?せっかくの優良なサンプルである人類が滅んでしまうではありませんか!!私達はまだまだあなた達のエンターテイメントの一端しか知らないのです!!我々にとって皆さんは、か弱く同時に非常に優秀なエンタメのサンプルであり、大切な傀儡なのですよ!!!」

男が大きな溜めと節をつけて後ろを振り向いた瞬間だった。バシュッと奇妙な音を立てて目の前の球体が裂けたかと思うと、七海を先頭に鈴香と理乃が飛び出し、男を包囲した。

「何がサンプルだ!都築さん!こいつ駆逐してええよな!?」
「いやちょっと待て!お前達装備を??」
「はい、私達の装備に気付いて無かったようです。攻撃できます!!」

急襲に男は怯え切り、その場にへたり込んで震えていた。都築は僅かに微笑んだかのような男の横顔を見てとり、静かに首を横に振った。

「いや・・・攻撃は中止だ。装備に気付いていなかったんじゃない。奴らは知ってて解かなかったんだ。残念だが・・・・言う通り、我々の攻撃力が脅威でないのは本当らしい・・。そしてこの現状も、おそらく彼らに誘導されたハプニングだろう」

男はつまらなそうな顔で立ち上がり、小馬鹿にしたような小さい拍手をした。

「さすが都築さん、皆さんは優秀な司令官をお持ちだ。それに私を殺そうが切り刻もうが何の利も無いですよ。私は皆さんで言うところの怪物と同じ、造られた者ですから」
「君を作った・・その・・主には会えないのか?直接話をさせてくれないか?」

都築が提案すると、コロコロ変わっていた男の表情がほんの一瞬停止した。おそらくあちら側の返事を受信しているのだろう。

「皆さんに会うと言ってますよ。代表者が、今ここへ参ります」
「そうか。私と都築が代表で話をさせてもらう。それでいいな?都築」

都築は頷き、吉崎の横に立った。2、3分ほど待っただろうか。はるか向こうの壁がモヤッと光ると、大きく開いた。都築がこの部屋に通された時よりも、もっともっと巨大なものが来る事が予感された。
吉崎はみんなを下がらせた。メンバーは固めた拳を解かず、いつでも飛び掛かれる体勢を取っている。

「ほら、おいでなすったようですよ」

黒く、大きな影がヌウッと現れた。吉崎と都築はその姿を一瞥した瞬間に悟った。『防衛も何もない。我々は遊ばれていたのだ』と。ピンキーの3人は力なく項垂れ、攻撃体制を解いた。駆逐どころじゃない。おそらく自分達はコレに触れられもせず殺されるだろう事を察した。絶望よりも、もっと確信に近い終焉。誰も言葉を交わさなかった。悲鳴を上げる者もいなければ、逃げようとも思わなかった。動いたら死ぬだろうと分かるからだ。

それはあまりにも異形で巨大だった。


(つづく)

文/平子祐希

■平子祐希 プロフィール
1978年生まれ、福島県出身。お笑いコンビ「アルコ&ピース」のネタ担当。相方は酒井健太。漫才とコントを偏りなく制作する実力派。TVのバラエティからラジオ、俳優、執筆業などマルチに活躍。MOVIE WALKER PRESS公式YouTubeチャンネルでは映画番組「酒と平和と映画談義」も連載中。著書に「今夜も嫁を口説こうか」(扶桑社刊)がある。
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