『ワンバト』や「アドレセンス」が席巻した「第83回ゴールデン・グローブ賞」を振り返り!『鬼滅の刃』プロデューサーに当たった意外なスポットライトとは?

『ワンバト』や「アドレセンス」が席巻した「第83回ゴールデン・グローブ賞」を振り返り!『鬼滅の刃』プロデューサーに当たった意外なスポットライトとは?

惜しくも受賞を逃した『鬼滅の刃』に当たった思わぬスポットライト

同部門には日本から『劇場版「鬼滅の刃」 無限城編 第一章 猗窩座再来』(25)がノミネートされていたが、Netflix史上最高視聴数を更新中の『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の勢いは圧倒的で、その牙城を崩すには至らなかった。

しかし『鬼滅の刃』は、思わぬ形でスポットライトを浴びることになる。製作のアニプレックスの岩上敦宏社長が、米「GQ」誌によるゴールデン・グローブ賞の「メンズウェア・ベストドレッサー10名」に選出されたのだ。GQ誌は、「授賞式のレッドカーペットには、著名なスターたちよりもはるかに洗練された装いを披露する、一般には知られていない業界関係者が少なくとも一人いる」と前置きしたうえで、岩上氏について「伝統的なディテールがふんだんに施された超クラシックなフォーマルスタイルに、ジル・サンダーの椰子の木モチーフのクラッチバッグを巧みに調和させていた」と評している。

今年最大のサプライズとなったのは、クレベール・メンドンサ・フィリオが監督を務めたブラジル映画『シークレット・エージェント』(2026年日本公開)が、非英語映画賞に加え、ドラマ部門の主演男優賞(ワグネル・モウラ)を受賞したことだ。

軍事政権下のブラジルを舞台に描かれる政治スリルサスペンス『シークレット・エージェント』で主演を務めたワグネル・モウラ
軍事政権下のブラジルを舞台に描かれる政治スリルサスペンス『シークレット・エージェント』で主演を務めたワグネル・モウラTommaso Boddi/2026GG

1970年代のブラジル軍事独裁政権下で身を隠さざるを得なかった教授を演じたモウラは、『罪人たち』(25)のマイケル・B・ジョーダンら有力候補を抑えての受賞となった。同賞候補作の多くが他部門にもノミネートされるという強豪部門で、ゴールデン・グローブ賞が世界各国のジャーナリストによって選ばれている賞という観点からも、国際映画の台頭は今後も続くことだろう。

「アドレセンス」がノミネートされた4部門をすべて制覇

テレビ部門では、Netflixの「アドレセンス」が、昨年のエミー賞に続き圧倒的な強さを見せた。リミテッドシリーズ作品賞に加え、オーウェン・クーパー(助演男優賞)、エリン・ドハティ(助演女優賞)、スティーヴン・グレアム(主演男優賞)が演技部門を独占。16歳のクーパーは、史上最年少での助演男優賞受賞という記録を打ち立てた。少年犯罪と周囲の人々の衝動をワンカット風に撮影した「アドレセンス」は、ノミネートされた4部門すべてを制覇する完璧な結果となった。

「アドレセンス」で助演男優所を受賞したオーウェン・クーパーは、16歳で史上最年少の受賞
「アドレセンス」で助演男優所を受賞したオーウェン・クーパーは、16歳で史上最年少の受賞Rich Polk/2026GG

ドラマシリーズ部門では、HBOの医療ドラマ「ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室」が作品賞と主演男優賞(ノア・ワイリー)の2冠を獲得した。かつてドラマ「ER 緊急救命室」で名を馳せたワイリーは、リアルタイム形式で展開される本作において、円熟味を増した演技を見せ、高く評価された。


女優部門では、レア・シーホーンがApple TVの「プルリブス」で主演女優賞(ドラマ部門)を初受賞。「ベター・コール・ソウル」で幾度もノミネートされながら受賞に至らなかった彼女にとって、この栄冠は特別な意味を持つものとなった。

“幸福”で支配された世界で人々を救おうと奔走する孤独な主人公・キャロルを演じたレア・シーホーン
“幸福”で支配された世界で人々を救おうと奔走する孤独な主人公・キャロルを演じたレア・シーホーンGilbert Flores/2026GG

コメディ部門では、Apple TVの「ザ・スタジオ」が作品賞と主演男優賞(セス・ローゲン)の2冠を達成した。ハリウッドのスタジオシステムをパロディ化した本作では、劇中でゴールデン・グローブ賞授賞式を描くエピソードも制作されており、その偶然も話題を呼んだ。ローゲンはスピーチで、「パロディをやっていたら本当になってしまった。このトロフィーを手に入れるには、自分でドラマを作って自分に与えるしかないんですね」と語り、会場の笑いを誘った。

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