ロバート・ダウニー・Jr.が『マーティ・シュプリーム』のティモシー・シャラメに最大級の賛辞!レアな対談の一部始終を現地からレポート
現地時間1月11日に開催された第83回ゴールデン・グローブ賞授賞式で、見事「ミュージカル・コメディ部門」の主演男優賞を受賞したティモシー・シャラメ。同部門史上最年少での受賞の興奮も冷めやらぬなか、ロサンゼルス市内のDGAシアターで『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(3月13日公開)のアワード用試写と特別Q&Aが行われた。このイベントは、映画を観て「なんて最高な映画なんだ!」と感銘を受けたロバート・ダウニー・Jr. が主催とモデレーターを買って出て実現したのだという。当初は小さめのプライベート上映を予定していたが、「でっかい会場でやろうよ」とのダウニー・Jr.の一言で、大勢の観客を招いてのイベントとなった。実は今年2026年の12月18日にそれぞれの主演作、シャラメは『Dune: Part Three』、ダウニー・Jr.は『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』の全米公開を控えている。ダウニー・Jr.は「僕ら2人とも12月18日に主演映画が公開されるので、それに名前をつけようと決めたんです。"デューンズデイ"はどうでしょう?」と提案し、大きな笑いをとっていた。ダウニー・Jr.の誉め殺しぶりに恐縮しきりだったシャラメの対談の一部始終をお届けする。
「非常に具体的な表現力を持つ、驚異的な俳優だと思いました」(ダウニー・Jr.)
ロバート・ダウニー・Jr.(以下、RDJ)「みなさん、この映画本当にすごかったでしょう? ティモシー、どうぞ入場してください。君が22歳の時に出演した『君の名前で僕を呼んで』を観て、それから『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』を観た時、『この俳優は技術的に本当に役柄に没入している』と思いました。そして今回この映画を観て、『ああ、さらにこんな要素も持っているんだ』と気づかされました。キャラクターの心理的な生き様を、内側から外側へ、外側から内側へと構築していく、非常に具体的な表現力を持つ、驚異的な俳優だと思いました」
ティモシー・シャラメ(以下、シャラメ)「日曜日(のゴールデン・グローブ賞)の時にも言いましたが、感謝の限りです。このDGAシアターが満員になり、僕たち2人がここに出てきた時のみなさんの反応を受けて、本当に心に響きました。12月に公開されたこの映画をできるだけ大きく世に出すことに全エネルギーを注いできました。この映画の力を、本当に信じているからです。ジョシュ・サフディというすばらしい監督、すばらしいキャスト、そしてすばらしい制作チームでした。映画の制作にまつわるみんなの努力は、下心のない誠実なものでした。ハングリーなアーティストたちが集まって全力を尽くした、という感じでした。今この瞬間、DGAシアターでアーティスト仲間に囲まれて、感謝の気持ちでいっぱいです。このような場所にいられること、キャリアの先輩として尊敬するあなたとこの舞台に立てることへの畏敬の念を感じています。数日前にFaceTimeで初めて話したのが最初でしたが」
RDJ「この映画は本当にすばらしい作品です。そして、これほど優れた映画だからこそ、誰もがこう言いたくなるでしょう。『この映画の彼は最もすばらしかった』という言葉は最高の賛辞であり、同時に陳腐な批評と化してしまいます。これは真の芸術作品です。この作品は、『名もなき者』と『Dune: Part Three』の間に撮ったのですか?」
シャラメ「『名もなき者』と『マーティ・シュプリーム』を7か月の間に撮影しました」
RDJ「そうなのか!僕が君と同じくらいの年齢の時、僕は『チャーリー』(注:RDJがチャーリー・チャップリン役を演じた1992年製作の伝記映画)で、技術的に習熟する必要に駆られていました。でも君は連続して技術の習熟をやってみせました。作品ごとに技術を積み重ね、それを次の作品に持ち込んでいます」
シャラメ「技術的熟練という言葉について申し上げると、『チャーリー』は、『名もなき者』で、僕が参考にした作品の一つでした。ロバート・ダウニー・Jr.という認知度の高い俳優が、別の著名人物に変身したのを見て、ボブ・ディランに取り組む自信を得ました」
「一生懸命努力することはすばらしいこと。マーティ・マウザーはその体現者だと思います」(シャラメ)
RDJ「この役柄には非常に厳格な規律があるように感じられました。私は本当にこの人物が気に入ったんです。本当に奇妙なんですが、彼の行動の数々に、私たちは『彼の意図はわかるが、本当にこんなことをするのか?』と驚かされます。そして毎回、彼は常に核心を見失わないという確固たる規律を保っている。この人物を駆り立てる動機はなんなのでしょうか? その点について少し掘り下げたいと思います。なぜなら、この映画がこれほど成功している理由の一つは、いわゆる"公平な世界"あるいは"公平な人生"という、人生はなんらかの形で公平なのだという誤った考えが流布しているからだと思います。『マーティ・シュプリーム』の主人公であるマーティを演じるにあたり、彼の軌跡を知った時、なにが彼を瞬間ごとに駆り立てているのか、という考えに及びましたか?」
シャラメ「すばらしい質問をありがとうございます。ニューヨークで育った者は、そのプレッシャーのある環境によって、大きな夢を見させられることがあります。僕はマンハッタン・プラザという建物で育ちました。公平な人生の誤謬は早い段階で理解しました。友達の家にお泊まりに行って彼らの生活環境を見て、『自分が生きている環境とは違う』と気づく。別の場所に行くと、『この人は僕よりずっといい環境にいる』と気づく。でも、それが大きな夢を見させてくれました。高校時代の私が大きな夢を見ることは、ナイキのCM、コービー・ブライアントのCM、マイケル・ジョーダンのドキュメンタリーを観ることでした。そして、パンデミックやなんやらで、世界が明らかに厳しくなったような気がするのです。世界は常に厳しいものだと思いますが、いま、社会は明らかに厳しいものになりました。そして、若者たちには、大きな夢を見る感覚を持ち得ていないように感じます。私は、一生懸命努力することはすばらしいことだと思います。そして、マーティ・マウザーはその体現者だと思います。彼はまさに努力家です。
ジョシュ・サフディ監督は僕に対して常に、『この男を裁くな』と言っていました。マーティが言うセリフ、『俺が育った場所では、誰もが自己責任で生きている』。この率直な言葉は、洗練されていないように聞こえるかもしれませんが、そういう環境で育った者にとっては真実だと理解できるのです」
