「この映画を観られてよかった」…ちぐはぐな父娘の“記憶”を辿る旅路を描く『旅の終わりのたからもの』に「ラストは涙が止まらない」

コラム

「この映画を観られてよかった」…ちぐはぐな父娘の“記憶”を辿る旅路を描く『旅の終わりのたからもの』に「ラストは涙が止まらない」

1991年のポーランドを舞台に、ニューヨークで生まれ育った娘と、ホロコーストを生き抜き約50年ぶりに祖国へ戻った父親が、家族の歴史をたどる旅路を、ユーモラスかつ温かく描いたロードムービー『旅の終わりのたからもの』(1月16日公開)。どこか満たされない気持ちを抱える娘と、残酷な記憶を封印しながら人生を謳歌する父。どこまでもちぐはぐな2人が行き着く先で見つけた“たからもの”とは?

MOVIE WALKER PRESSでは、公開に先駆けて行われたトークイベント付き試写会の来場者にアンケートを実施。父と娘の絆を描いたハートウォーミングなストーリーに、「1年の最初にこの映画を観られて本当によかった」(40代・女性)、「とても心が温かくなりました」(40代・女性)、「家族や人生について考えさせられた」(30代・男性)や「お正月に会ったばかりだけど、家族と話したくなる!」(40代・男性)といった絶賛コメントが集まっている。そんな本作の見どころを観客の声と、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子による描き下ろしイラストと合わせて解説していきたい。

「ラストは涙が止まりませんでした。戦争での辛い体験が、こんな形で次の世代にまで影響を及ぼしていたことに驚きました」(50代・女性)
「重いテーマの中にもユーモアが交わった見応えのある作品でした」(30代・女性)
「歴史的に重いテーマを温かなコメディタッチで描く作劇手腕に脱帽しました」(40代・男性)
「歴史を単なる“記録”としてではなく、人から人へ受け渡される“物語”として残すことの意味を静かに問いかけてくる作品」(30代・女性)

父娘の珍道中を描く!笑いあり、涙ありの心温まるロードムービー

ユニークな父娘が繰り広げる!ちぐはぐで痛くて、忘れられないポーランド旅
ユニークな父娘が繰り広げる!ちぐはぐで痛くて、忘れられないポーランド旅[c] 2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS

ポーランド系ユダヤ人の両親のもとに生まれ、ニューヨークで育ったルーシーは、人気バンド、ローリングストーンズにインタビューするなどジャーナリストとして成功していたが、どこか満たされない想いを抱えていた。心にぽっかりと空いた穴を埋めるため、彼女は自身のルーツを探そうとポーランドへの旅を計画する。そんな彼女の身を案じてか、ホロコースト生還者であり、アメリカへ渡ってからは一度も故郷の地を踏まなかった父エデクも旅に同行することに。彼にとってそれは、およそ50年ぶりの帰郷となった。

父が暮らした町や家、そしていまは後世に歴史を伝える場所となったアウシュヴィッツを訪れたいルーシーだったが、自由奔放に振る舞う父によって彼女の計画は次々と乱されてしまう。はたして、すれ違い続ける父娘の心は重なり合うのだろうか?そして、過酷な過去に再び向き合うことになったエデクが語る家族の痛ましい記憶とは?

容赦ないツッコミで笑いを誘うユニークな父娘と、キャスト陣の名演

劇中で見せる父エデクの処世術を表現!
劇中で見せる父エデクの処世術を表現!イラスト/辛酸なめ子

主人公ルーシーを演じるのは、テレビシリーズ「GIRLS/ガールズ」で製作、主演、監督、脚本も務めたレナ・ダナム。ダナムにとって本作は15年ぶりの映画主演であり、20代女性の飾らない姿を等身大で体現した「GIRLS」と同じく、今回もダイエットと称して持参したシード(種子)ばかり旅先で食べていたり、気にしていないように装いながらも別れた夫のことが忘れられないでいるなど、自分自身を肯定的に受け入れられないでいるルーシーをより共感できる人物として演じている。

「GIRLS/ガールズ」のレナ・ダナムが、どこか満たされない思いを抱える娘ルーシーを演じる
「GIRLS/ガールズ」のレナ・ダナムが、どこか満たされない思いを抱える娘ルーシーを演じる[c] 2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS

対する父エデクには、『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』(11)でホームズの兄マイクロフト役や、「ホビット」シリーズなどで守銭奴な湖の町の統領役が印象的だったスティーヴン・フライ。味のある演技で愛される英国の国民的俳優であり、本作ではチャーミングな笑顔とユーモアで初対面の人ともすぐに打ち解け、“娘は有名人だ”と行く先々で自慢をするどこか憎めない父親像と、その下に封印してきたホロコーストの恐ろしい記憶に苦しみ続けている姿を体現。

「実在の父娘を記録した映像を観ているかのようなリアリティがありました。感情豊かな2人のお芝居、とてもすばらしかったです」(40代・男性)
「どちらもチャーミング!レナの絶妙な繊細さの出し方もすてきですし、スティーヴンの自由に見せながら不器用さを醸しだす演技も最高です」(40代・女性)
「レナとスティーヴンのケミストリーをぜひ味わってほしい!この2人なくしては完成しない映画」(50代・女性)
「ユーモアのあるやり取りと自然な演技に、最初から最後まで楽しく観ることができました」(30代・女性)


何事も計画どおりに進めたい神経質なルーシーと、なにも気にせず旅を楽しんでいるかのように行動するエデクは、まったく噛み合わない。そんな2人がたびたび繰り広げるボケとツッコミのようなテンポのよい掛け合いと父娘の距離感は大きな見どころの一つだ。観客の目にもその可笑しさと裏腹ににじむ父娘の関係性が魅力的で愛おしく映ったようだ。


英国の国民的俳優スティーヴン・フライが、デリカシーに欠けるが人気者の父エデクを演じる
英国の国民的俳優スティーヴン・フライが、デリカシーに欠けるが人気者の父エデクを演じる[c] 2024 SEVEN ELEPHANTS, KINGS&QUEENS FILMPRODUKTION, HAÏKU FILMS

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