『PROJECT Y』で来日したハン・ソヒ。『12月の君へ』「わかっていても」「マイネーム: 偽りと復讐」で見せた無彩色の個性
韓国の若手を代表する俳優の一人であるハン・ソヒ。彼女の主演作『12月の君へ』(公開中)、そして『PROJECT Y』(2026年1月23日公開)が相次いで日本公開される。2016年の芸能界デビュー以来、主にドラマで演技力を磨いてきたソヒのスクリーンデビューとなるこの2作品で、彼女はキャリアをさらに一段アップデートさせた。また、公開に先立って開催された『PROJECT Y』のファンミーティング付きジャパンプレミアで映画のプロモーションとして初来日を果たし、撮影時のエピソードトークやファンへのサプライズ企画を披露して話題になった。今後スクリーンでの活躍がさらに楽しみなソヒのこれまでのキャリアを振り返ってみよう。
タイプの異なる2作で印象づけたスクリーンデビュー
『12月の君へ』は、韓国の地方都市で暮らす俳優志望の女子高生スアン(ハン・へイン)と、都会からやってきた転入生ソルとの出逢いと別れ、そして再会を描くラブストーリーだ。ソヒが演じているのは、人気俳優ながらきらびやかな芸能界と騒々しい都会に疲弊し転校してきたソル。スアンの演技に触れたソルはスアンに恋心を抱く。スアンもまた、美しくて純粋な性格のソルに言い知れぬ思いを寄せるが、まだ幼かったためにソルを拒んでしまった。
この映画のファーストシーンで、ソルは冬が到来する韓国の冷たい空気のなか、赤いコートを纏い車窓から身を乗りだしている。その透明感と儚さは、まさに「ソル((설、韓国語で「雪」を意味する)」という名前そのもののようだ。ソヒ扮するソルは、本作の繊細な美しさをワンシーンですべて表現しきったようだった。
続く『PROJECT Y』は、ソウルの繁華街でどん底から這い上がろうとする2人の女性の連帯をスリリングに描いたノワールだ。ソヒが演じたミソンは、昼はフラワーショップで働き、夜はカンナムのクラブで男性を相手にしている。その華麗な容姿のため男性からの人気は高いが、決して安売りをせず、女性たちの送迎を担当するドライバーで親友のドギョン(チョン・ジョンソ)と支え合っている。
作品序盤では、どちらかと言えばドギョンがミソンを守っているところが多い。しかし、つかみかけた夢が突如奪われ、打ちひしがれた2人が街のどこかに大金が隠されていることを知り人生を逆転させようと大勝負に出た瞬間、ミソンの中にあるしたたかさが堰を切ったように表れる。大胆な行動力でストーリーを思わぬ方向へ加速させていくミソンというキャラクターで、ソヒは躍動した姿を見せている。

