「最低な奴を想像してた」キャスト陣がアリ・アスターを語る『エディントンへようこそ』インタビュー映像

「最低な奴を想像してた」キャスト陣がアリ・アスターを語る『エディントンへようこそ』インタビュー映像

アリ・アスター監督の最新作『エディントンへようこそ』(12月12日公開)からキャスト陣のインタビュー映像が到着した。

本作は、ホアキン・フェニックスを主演に迎え、共演にペドロ・パスカル、エマ・ストーン、オースティン・バトラーら豪華キャストが集結したスリラー。コロナ禍でロックダウンされた小さな町を舞台に、暴力、陰謀論、SNSの暴走がすべてを焼き尽くし、やがて全米を巻き込む大事件へ発展していくさまを描き出す。

物語の舞台は2020年、ニューメキシコ州の小さな町エディントン。コロナ禍で町はロックダウンされ、息苦しい隔離生活の中、住民たちの不満と不安は爆発寸前。保安官ジョー(フェニックス)は、IT企業誘致で町を救おうとする野心家の市長テッド(パスカル)とマスクをするしないの小競り合いから対立し「俺が市長になる!」と突如、市長選に立候補する。ジョーとテッドのいさかいの火は周囲に広がっていき、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上。同じ頃、ジョーの妻ルイーズ(ストーン)は、カルト集団の教祖ヴァーノン(バトラー)の扇動動画に心を奪われ、陰謀論にハマっていく。

このたび解禁されたのはパスカル、ストーン、バトラーが集結し、本作や監督のアスターについて語り合うインタビュー映像。本作が今の時代とどう結びつくのかについて、ジョーと対立するテッド市長役のパスカルは「こんなストーリー、滅多にない」「観る人は心の準備ができてないかもしれない」と言う。続けて「登場人物が全員、それぞれの見解を持っている」、「アリは自分の思いをキャラクターに吹き込み、物語を転がしている」と作品の本質を鋭く分析。そして、それが巨大な“社会の恐怖”にもつながると語り「いまの時代を描いただけじゃない。彼自身が感じている“なにか全部”が入ってる」とアスターを称賛する。

「アリ・アスターの世界に飛び込んでみた感想は?」という問いに対して陰謀論にのめり込むジョーの妻であり、テッドの元カノ疑惑もある複雑な役どころを演じたルイーズ役のストーンは「私は監督の頭の中に入り込みたいタイプ。それが役者としての原動力なんです」と明かしつつ「物語が進む手助けができるなんて、これ以上の喜びはない」と撮影現場での高揚感を語る。続いて、カルト教祖ヴァーノン役のバトラーも「どのキャラも味わい深くて複雑で、ニュアンスがすごい」とアスターの人物描写についてコメント。さらにアスターについて「明確なビジョンを持ちながら、決して押しつけない」「枠に閉じ込めるんじゃなく、両手で支えてくれるような人」と独自の見解を述べた。

するとそれを聞いていたパスカルが「僕も驚きましたよ。すごい監督だ」とすかさず同意。「最低な奴を想像していました(笑)。作品同様、悪夢みたいな人かと思ってた!それでも出演したかった」とパスカルがふと本音をもらすシーンも。世界を沸かせる3人の本音トークが楽しめる必見の内容となっている。


ハリウッドを牽引するキャスト、スタッフが結集し、現代社会に潜む狂気と恐怖を描く本作。本編鑑賞前に、キャスト陣の素顔が垣間見られるインタビュー映像もチェックしてみてほしい!

文/スズキヒロシ

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