『ドールハウス』矢口史靖監督に “Jホラーの申し子”がインタビュー!「観客が能動的に怖がってくれるような“共犯関係”を作れたら」
「観客がずっと『これはホラーなのか、心理サスペンスなのか』と迷える状態を保つことが狙いでした」
――監督にとって、どんなことが一番怖いと感じますか?
「誠意が感じられない、意思疎通ができない、そういった言葉の通じない人と出会うことですかね。長く付き合えばわかりあえるかもしれないけど、会った瞬間から『この人とは無理だ』と思ってしまうと本当に怖い。“もう二度と会いたくない”と思うような人間の怖さ。それが一番リアルな恐怖かもしれません」
――今回、パッケージ化であらためて鑑賞される方も多いと思います。観直す際に注目してほしいポイントは?
「変なこと、たくさんやってるんですよ(笑)。気づくか気づかないか、ギリギリのラインを攻めていて、たぶん劇場では誰も気づかなかったことも多いんじゃないかな。後ろに人が立っていたとか、そういうあからさまな“隠しネタ”ではなく、無意識のレベルで違和感を受け取ってもらえるようにしています。繰り返し観ることで『あれ、なにか変だな』と思えるところがあるはずです。パッケージの特典映像でも詳しく解説しているのでぜひ観てほしいです」
――具体的にはどんな違和感を積み上げているのでしょうか。
「長澤まさみさんが、 娘にかくれんぼしようとねだられて、しないって返して、という一連がありますが、その時に肘をついているのは実は長澤さんとは別人の手なんです。立ち上がる瞬間に“手の角度”が微妙におかしい。ほかにも、すりガラス越しに娘が笑うシーンでは、子ども用のマウスオープナーを付けて口を不自然に広げています。でもガラス越しだから本当にそう見えるのかわからない。観客の“無意識の不安”に触れるような怖さを狙いました」
――そうした違和感の積み重ねが、物語の“どっちとも取れる怖さ”につながっているわけですね。
「そうですね。前半はあくまで“お母さんが精神的に参っているだけでは?”という不確定状態にしたかった。明確に異世界のものを見せてしまうと、物語の見方が早く確定してしまうので。観客がずっと『これはホラーなのか、心理サスペンスなのか』と迷える状態を保つ――それが狙いでした」
――『ドールハウス』のDVD・Blu-rayを購入する方にどのように楽しんでほしいですか?
「『ドールハウス』は本気で怖い映画を作ったつもりです。日本のお客さんは劇場ではなかなか叫んだりしないですけど、ソフトで自宅で観れるようになるので、劇場では静かに観ていた方も、自宅ではぜひ思いきり叫んでください」
取材・文/近藤亮太
Blu-ray豪華版
価格:8,250 円(税抜価格:7,500 円)
本編110分+映像特典199分/2層(BD50G)/ビスタサイズ/音声:①日本語 5.1ch DTS-HD Master Audio②日本語2.0ch DTS-HD Master Audio③バリアフリー日本語音声ガイド 2.0ch DTS-HD Master Audio/字幕:バリアフリー日本語字幕
特典ディスク:メイキング/矢口監督に聞く!『ドールハウス』の秘密/イベント映像集(第45回ポルト国際映画祭凱旋報告会/ジャパンプレミア/初日舞台挨拶/大ヒット感謝御礼舞台挨拶)/海外映画祭映像(第45回ポルト国際映画祭/第49回香港国際映画祭/第27回ウディネ・ファースト映画祭/第27回上海国際映画祭)/アヤちゃん映像集/SNS宣伝動画/主題歌PV/TIFFCOM予告/バンパー映像集/生き人形は実在する/デザイン画&絵コンテ(静止画)
発売・販売元:東宝
DVD通常版
価格:4,400円(税抜価格:4,000円)
本編110分+映像特典5分/片面2層/ビスタサイズ/音声:①日本語 5.1ch ドルビーデジタル②日本語 2.0ch ドルビーデジタル③バリアフリー日本語音声ガイド 2.0ch ドルビーデジタル/字幕:バリアフリー日本語字幕
発売・販売元:東宝

