伊藤沙莉×坂東龍汰、コンビネーション抜群の名バディ誕生!笑顔と緊張が交錯した映画『爆弾』撮影現場に密着

伊藤沙莉×坂東龍汰、コンビネーション抜群の名バディ誕生!笑顔と緊張が交錯した映画『爆弾』撮影現場に密着

「このミステリーがすごい!2023年版」(宝島社)「ミステリが読みたい!2023年版」(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)で1位を獲得した、呉勝浩によるベストセラー小説を映画化した『爆弾』(10月31日公開)。謎の中年男が放った予告をきっかけに東京中で連続爆破事件が巻き起こる様子を描く本作は、取調室という密室を舞台にした攻防戦と共に、外を駆け巡りながら爆弾探しに奔走する警察官の奮闘も大きな見どころ。MOVIE WALKER PRESSは現場取材を敢行し、警察官の衣装に身を包んだ伊藤沙莉坂東龍汰が、抜群のコンビネーションで撮影に臨む姿に密着した。

制服姿の伊藤沙莉&坂東龍汰の笑い声が響く!

酔った勢いで暴行を働き、警察に連行された「スズキタゴサク」と名乗る謎の中年男が「霊感で事件を予知できる」と、都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告。秋葉原での爆破を皮切りに、これから1時間おきに3回爆発すると語り始める。刑事たちの問いかけをのらりくらりとかわしつつ、次第に爆弾に関する謎めいた“クイズ”を出し始めるタゴサク。彼は一体、何者なのか。主演の山田裕貴が警視庁捜査一課でスズキタゴサクと真っ向から対峙する交渉人、類家役を熱演。佐藤二朗がスズキタゴサク役を務める。『キャラクター』(21)、『帝一の國』(17)などで知られる永井聡監督が、メガホンを取った。

伊藤が演じるのは、沼袋交番勤務の巡査の倖田。坂東が、倖田とコンビを組む巡査長の矢吹に扮している。取調室の中で、類家らがタゴサクの仕掛ける謎解きゲームに挑むなか、そこから導き出されるヒントを手がかりに、外回り組の倖田&矢吹は聞き込みを続けていく。この日は、倖田と矢吹が捜査に励む場面が撮影されていた。タゴサクの発言からある場所が浮かび上がり、彼らがそこを訪問。2人が奇妙な雰囲気が漂う建物内部へと足を踏み入れていく…というシーンだ。

外回り組の倖田&矢吹が捜査を続けるなか、ある場所が浮かび上がる
外回り組の倖田&矢吹が捜査を続けるなか、ある場所が浮かび上がる[c]呉勝浩/講談社 [c]2025映画『爆弾』製作委員会

内部のセットは、あらゆる状況を撮影できる千葉県にある施設、ロングウッドステーションに建てられた。散らばる書籍や雑誌、雑貨類が異質さを見事に映し出し、それらが一体タゴサクとどのように繋がるのか…?と真相に向けてググッと物語が加速していくシーンだ。伊藤と坂東は、気持ちのよい挨拶と共に現場入り。警察官の制服姿も、実によく似合っている。衣装合わせの際に伊藤は「お仕事体験に見えないかな、大丈夫かな?」と心配していたが、「毎日制服を着ているとやっぱり身が引き締まるもので。『今日もやるぞ!』という感覚が、伊藤から倖田としてのやる気にどんどん変わっていくようで、その流れがとても心地よかった」という。

永井監督の「スタート」の声をきっかけに、矢吹を先頭に倖田が続き、慎重に前進しながら部屋を調べていく。恐る恐るドアを開ける手つきや彼らの足取りにも緊張感がにじみ、倖田が鼻を抑えて顔をしかめる様子からは、この家の不気味さが伝わってくる。一方、撮影の合間には伊藤と坂東の楽しい笑い声が響いていたのが印象的。スタッフも自然と笑顔になり、坂東がどら焼きの差し入れをしてみんなで盛り上がるなど、にぎやかな活気にあふれている。撮影の引き締まったムードと休憩時間の和やかさという、メリハリのある清々しい空気が流れていた。その空気感は、伊藤と坂東のコンビネーションのよさから来るもの。どちらかが先に帰る時には、「バイバイ!頑張ってね!」とエールを送り合う姿も見受けられたが、劇中でもその仲の良さが見事に反映されている。先輩・後輩でありつつ、気の置けない仲間である倖田&矢吹の息ぴったりの掛け合いはテンポも最高で、彼らの関係性や人間味が本作の世界観をより深く、豊かなものにしているのだ。

最高のバディ誕生!山田裕貴「想像を超えてきた」、佐藤二朗「想像以上にチャーミング」と絶賛

【写真を見る】山田裕貴と佐藤二朗が『爆弾』で激突!
【写真を見る】山田裕貴と佐藤二朗が『爆弾』で激突![c]呉勝浩/講談社 [c]2025映画『爆弾』製作委員会

これまでにも、共演歴のある伊藤と坂東。伊藤は「本当にピュアな方で、一緒にいると心が穏やかになる」と坂東の印象を口にし、「坂東さんはセリフを発する音に嘘がなく、本当にステキな役者さん。掛け合いができてとてもうれしくて、もっとやりたかったくらいです。こちらのお芝居も引き出してくれるし、一緒に悩んでくれる存在でもあり、ものづくりをする上でも常にバディとして現場にいてくれました」と並々ならぬ信頼感をもとに、名バディを誕生させた様子。

坂東も、「一緒にいてすごく落ち着く」と共鳴。「疑問に思ったことがあれば、いつでも相談しやすい空気感でいてくださる」と語るように、2人で相談をして永井監督に「どう思いますか?」と持ちかける場面もあった。坂東は、倖田と矢吹のやり取りについて「ひと言ひと言がとても大事なセリフになってきますが、その都度、伊藤さんと確認しながら臨むことができました」と感謝しきりで、「伊藤さんとはテンションが似ているんです。2人とも高め(笑)。撮影の合間もずっと話していて、止まらなくなるくらいでした。久しぶりにお会いできてうれしかったですし、その間にあったことや共通の友だちの話でも盛り上がったりして。ものすごく楽しかったです」と声を弾ませるなど、2人ともうれしい共演になったと話す。

取調室がヒリヒリとするような緊張感に包まれるなか、観客にとってホッと笑顔になれる瞬間やまた新たなドキドキ感を与えてくれるようなコンビとなる倖田&矢吹。このコントラストは、観客をクギづけにすることだろう。類家役の山田は「2人が想像を超えてきた。トーンやテイストもすばらしい」、タゴサク役の佐藤も「想像以上にチャーミング」と伊藤と坂東の芝居を大絶賛。伊藤が「かなりいいバディだと思うので、観てくださる方にとって応援したくなる2人になっていたらうれしいです」と胸を張ったチームワークを、ぜひスクリーンで目撃してほしい。


取材・文/成田おり枝

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