『殺人配信』では凶気のストリーマーに!エリート会社員、皇子、詩人…作品ごとに異なる顔を見せる実力派カン・ハヌルが歩んだ軌跡

コラム

『殺人配信』では凶気のストリーマーに!エリート会社員、皇子、詩人…作品ごとに異なる顔を見せる実力派カン・ハヌルが歩んだ軌跡

出演作ごとにまったく違ったイメージのキャラクターを演じ、演技力に定評があるカン・ハヌル。特に、2025年は出演作が目白押しだった。ドラマ「隠し味にはロマンス」では食品会社の野心家御曹司役で久々にラブコメディを演じ、大ヒット作「イカゲーム」シリーズではファイナルシーズンにも登場。今夏、Netflixで配信された映画『84m2』(25)ではようやく手に入れたマイホームで騒音トラブルに巻き込まれた男の恐怖を体現して話題となった。

ウサンは、広告料のため女性を狙う連続殺人鬼を追うことにするのだが…
ウサンは、広告料のため女性を狙う連続殺人鬼を追うことにするのだが…[c] 2025 LOTTE ENTERTAINMENT & VERYGOODSTUDIO All Rights Reserved.

そして、公開中の映画『殺人配信』では、巷で噂の連続殺人鬼をターゲットにした生配信を行ったことから危険に巻き込まれていく過激なストリーマー役として主演を務める。善良な男からエリート青年、狂気の男まで作品ごとに様々な顔&新味を披露できるのも、確かな演技力があればこそ。そんなハヌルのこれまでを、代表作と共に振り返ってみよう。

ミュージカル俳優から始まったキャリア

1990年、釜山生まれの彼は演劇俳優だった両親を持ち、幼いころから俳優を志し高校ではソウルへ。2006年、高校在学中の16歳のときにミュージカル「天上の時計」で俳優デビューを飾ると数々の舞台をこなし、ミュージカルのアイドルと呼ばれるなか、22歳の時に出演した「花ざかりの君たちへ For You In Full Blossom」や「相続者たち」などの学園ドラマで注目されるようになった。

なかでも、一躍お茶の間に広く知られたのは、2014年のドラマ「ミセン ー未生ー」。同作は、囲碁の世界でプロ棋士として生きることに挫折しバイト生活を送っていた主人公チャン・グレ(イム・シワン)が、母親のツテで商社に就職。高卒で社会経験も乏しい彼が、パワハラやモラハラなど不条理な差別に遭いながらも、囲碁で培った洞察力や、仲間、頼もしい上司に見守られて未来を切り開いていく姿が描かれる。韓国では“ミセンシンドローム”という言葉も生まれるほど社会現象を巻き起こす大ヒット作となり、ハヌルは大卒でエリート意識の強いチャン・ベッキ役で登場。はじめベッキは、仕事に慣れないグレを見守るが、グレが周囲に認められていくと共に嫉妬を抱くように。しかし、ベッキはグレが成長する姿から気づきを得て、改めて自身を見つめ直していく。ありがちな嫌われキャラで終わらせないことで、ドラマに深みを与えるキャラクターとして存在感を発揮した。

優しく完璧な皇子ウクを演じた「麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」
優しく完璧な皇子ウクを演じた「麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」[c]Everett Collection/AFLO

着実に認知度を広めていくなか、2016年の「麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」では、時代劇に挑戦。現代から高麗時代にタイムスリップした化粧部員ハジン(IU)が、見目麗しい8人の皇子たちと繰り広げるファンタジー・ロマンスだ。韓服姿も凛々しいハヌルが演じたのは、文武両道で優等生キャラの第8皇子ウク。高麗の貴族の娘の体に乗り移ったハジンことヘ・スは、優しく理想の王子様のようなウクに惹かれるが、対照的なツンデレ第4皇子ソ(イ・ジュンギ)に危機を救われたことから心が揺れていく。繊細な王宮ロマンスはもちろんのこと、緊張感漂う権力闘争も巻き起こる。様々な苦悩を抱えるウクを演じるハヌルが見せるせつない表情がたまらない。恋敵役で出演していたナム・ジュヒョク、EXOのペクヒョンらいずれ劣らぬイケメンたちとの演技合戦は、いま観ても楽しく、眼福だ。



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