『スーパーマン』が2025年第3位のオープニング成績で北米No. 1発進!期待値高めの“新生DCユニバース”の見通しは?
ジェームズ・ガン監督による“新生DCユニバース”第1弾となる『スーパーマン』(日本公開中)がスタートした先週末(7月11日から7月13日)の北米興収ランキング。いわずもがな同作がロケットスタートを切ったことによって、週末3日間における全体の総興収は2億ドルを突破。これは今年に入って3回目のこととなる。
ちなみにその前2回というのは、『リロ&スティッチ』(日本公開中)と『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(日本公開中)が同日公開を迎え、この2本だけで総興収の79%を占めたメモリアルデイの週末と、『マインクラフト/ザ・ムービー』(25)が総興収の80%を占めた同作のオープニング週末。今回の場合は、『スーパーマン』と『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(8月8日日本公開)の2本で総興収の82%を占めているのだ。
このように期待値の大きい大作がヒットスタートを飾るのは喜ばしいことである反面、中規模〜大規模タイトルであっても2週目以降に大きく数字を落とす傾向がまだ続いている点はやや気掛かり。しかも現状、ランキングの10位に入った作品は、ここ3週続けて興収100万ドルを下回っている。コロナ禍以降たびたび見られるようになった一極集中の状態が、後々になって閑散期を引き起こす素因となっているだけに、引き続き注意が必要かもしれない。
さて『スーパーマン』の初日から3日間の興収は1億2502万ドル。これは2025年公開作で第3位のオープニング成績であり、『マン・オブ・スティール』(13)のオープニング興収1億1600万ドルを上回り「スーパーマン」の単体映画としては歴代1位。登場作まで範囲を広げても『バットマンvsスーパーマン:ジャスティスの誕生』(16)の同1億6600万ドルに次ぐ数字。
マーベル作品がいわゆる“ヒーロー映画疲れ”の煽りを受ける以前から興行的に厳しい戦いを強いられてきたDC映画。『アクアマン』(18)を最後に、『ジョーカー』(19)と『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(22)を除けば興収2億ドルを突破した作品が一本もなく、そのなかで制作費2億2500万ドルの巨額を投じての大幅な看板フランチャイズの刷新とは、かなりの期待のあらわれと推察できる。すでに全世界興収は2億7000万ドルを突破しており、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価の割合が83%、観客からのそれも93%と好調で、興行的にまだまだ伸びる余地がある。“新生DCユニバース”の幸先は期待通り良さそうだ。
一方、前週に首位デビューを飾った『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は、週末3日間で前週比43.8%の4033万ドルの興収をあげ、週末段階で北米興収2億ドルを突破。平日の順調な積み重ねもあって累計興収は2億5000万ドルを超え、海外興収もすでに3億ドル以上。
これで『ジュラシック・パークIII』(01)の成績はあっさりと上回り、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(97)も射程圏内に収めているのだが、「ジュラシック・ワールド」3作はいずれも全世界興収10億ドルに到達しているメガヒットシリーズ。新章でありつつも“ワールド”の名前を引き継いだ以上、なんとかそれに続きたいところである。
文/久保田 和馬