近畿地方の“ある場所”は実在した…!?選ばれし者たちが導かれた、不穏な建物の正体とは
世界一早く鑑賞した参加者の感想は?「どんどん恐怖の大元が近づいてくる」
主演の2人の取材を終え、待つこと小一時間。会場の外にも割れんばかりの拍手の音が聞こえてきた。「行方不明の友人を探しています。」…から始まる衝撃展開の連続となる本作を参加者たちはどう観たのか?世界一早く鑑賞した観客の生の声を訊いて回った。
まずは、そもそもこの謎解きをどのように解いたかが気になるところ。大阪府から来場したT氏(仮名)は、「友人と集まった時に一緒に考えて解きました。解けた瞬間は本当に合っているのか自信がなかったのですが、回答を入れたら正解だった感じです」と、友人たちと知力を結集して挑んだそう。一方、奈良県から来たN氏(仮名)は、かなりの力技で問題を解いたと説明する。「【報告書】に書かれていた“大きな水が流れている”などのヒントをもとに場所を予想して、ローラー作戦で次々と入れていって、3~4時間ぐらいでようやく答えがわかりました」。
真っ向から謎に向き合うだけではなく、執念とも言える力技なども駆使して“ある場所”にたどり着いた来場者たち。彼らに“ある場所”についての感想を問うと、奈良県から来たT氏(仮名)とW氏(仮名)の2人組は、声を揃えて「こわい」印象を受けた様子。また同じく奈良県から来たM氏(仮名)は、「ここがイベントスペースだということも知らなかったので、こんな港に集められてなにかされるんじゃないか…と思いました(笑)」と、会場の雰囲気だけでなく造船所跡地に作られた立地の部分でも驚きを隠せなかったとのこと。
最後に『近畿地方のある場所について』をいち早く観た感想を尋ねると、大阪府から来たT氏(仮名)は、「むちゃくちゃこわかったです。背筋がゾクゾクする系のホラーが好きで、原作も読んでいたのですが、やっぱり映像になると迫力が違って…。途中ちょっと目をつぶったシーンもありました」と、映画ならではの迫力を堪能していた様子。また奈良県から来たT氏(仮名)は、「率直にすごく映像が怖くてびっくりしました。原作で出てくる赤い女とかも出てきて、読んでいる時に頭に思い描いていたものが映像になって、さらに映像ならではの怖さとかが加えられていて、すごくおもしろかったです。どんどん恐怖の大元が近づいてくる感じがゾワゾワしました」と、原作ファンにも大満足の作品であることを熱弁していた。
逆にホラー映画が苦手な参加者もギリギリ鑑賞できたそうで、奈良県から来たM氏(仮名)は「全編観られるぐらいの怖さがずっと続いて…ドン!ギャー!とかではなくて、ずっとじんわりイヤだな…みたいな感じがしました」とジャパニーズホラー映画らしさと戦っていた様子。同じくホラーが苦手だというN氏も「怖いものみたさで観たくて、小説も来る前に読んでいました。資料が羅列されていた原作をどう映像化するのか気になっていたのですが、めちゃくちゃきれいに映像化されていてすごいと思いました」と、かなり楽しんだ様子だった。
インタビューを終え、参加者たちが帰路につくのを見届けながら今回の取材は終了した。“ある場所”で上映を行っているからといって怪現象などが起こるわけではない。当たり前なことなのだが若干の物足りなさを感じつつ、いち早く鑑賞した参加者の声を聞いて本作が公開される8月8日が待ち遠しくなるばかりだ。「帰りの新幹線では原作本を読んでみよう」、そんなことを考えながら預けていた荷物をコインロッカーから取り出すと、入れた時にはなかったはずの不気味なシールが貼られているのに気が付いた。
取材・文/MOVIE WALKER PRESS 編集部