「作られたことに意義を感じる」「明日に希望が持てる映画」新型コロナウイルスとの闘いを描く『フロントライン』で心動かされた映画ファンはいまなにを思う?
船内にいた当事者家族が抱いたつらさとは?
「いろんな方から、もしかして乗船していない?と連絡が来ましたが、差別を心配し乗船していることは言えませんでした」(年代未回答・女性)という当事者の声が示すような、報道による二次被害にさらされる医療関係者の家族や感染により引き離される家族など、周囲の人々のつらさもつぶさに描く。
「ドクターやナースは助けたい気持ちで関わっているだけなのに、保育園に来ないでほしい…という場面。言ってしまう気持ちもわかるけど、責められるのはとても理不尽ですよね」(40代・女性)
「結局、誰かを救うために働いている人たちに罪はない。ましてやその家族も。にもかかわらず叩いている人たちはなんなんだろうと。あの時もいまも腹が立つ」(30代・女性)
「真田さんが家族を想う気持ち。コロナになるより子どもが差別に遭うほうが怖い。本当にこれだと思いました」(50代・女性)
「幼い外国人兄弟や米国人夫妻、現場から自宅に戻ってきた真田ドクターを迎えた奥様の様子が泣けました」(50代・男性)
家族の絆への感動はもちろん、医療従事者への冷たい眼差しに対する怒りやもどかしさ、差別的な風潮への恐怖など、様々な感情で心がかき乱されたようだ。
多くの困難に最前線で立ち向かった人々の真実が、緻密なリサーチと役者陣の熱演によって浮き彫りにされた『フロントライン』。
「船内にいた人の気持ちも理解できるすばらしい作品だと伝えたい」(30代・女性)
「いま、他者と接して仕事をするすべての人に観てほしい」(20代・男性)
「たくさんの人々がダイヤモンド・プリンセス号に関して、誤解や知らないことがあると思います。ぜひたくさんの人に彼らの姿を見てもらいたいです」(20代・女性)
「いまの子どもたちが大きくなったら、この映画を通してあの時の出来事を伝えていきたいです」(30代・女性)
「それぞれのルールや正しさのなかで、人の優しさが一番人を動かすのだと心に響きました」(30代・男性)
熱量のこもったメッセージから伝わるように、考えさせられるものがある作品なので、ぜひ劇場に足を運び、熱い人間ドラマを楽しむと同時に、この未曽有の事態について改めて思いを巡らせてみてほしい。
構成・文/サンクレイオ翼