「作られたことに意義を感じる」「明日に希望が持てる映画」新型コロナウイルスとの闘いを描く『フロントライン』で心動かされた映画ファンはいまなにを思う?
日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号。客船内で実際にはなにが起きていたのか、世界中から非難を浴びた医療チームは本当に批判されるほどの対応だったのか。世界中に報道されたこの出来事を徹底的な取材のもと映像化し、内側から描く『フロントライン』が6月13日(金)から公開される。
「泣いた。グッときた」(20代・男性)
「知らない事実があり、感動した」(30代・男性)
「ドキュメンタリーのような作品で、明日に希望が持てる映画」(20代・男性)
「受け手がそれぞれの経験と重ねてどのように感じるか、考えさせてくれる」(30代・女性)
「見応えがあり、約130分あっという間でした」(30代・男性)
MOVIE WALKER PRESSでは公開に先駆けて試写会を開催。参加者にアンケートを実施したところ、絶賛の声が飛び交った。その感想はもちろん、映画を通じて内情を知ったいま、改めてなにを感じたのか?作品の魅力や作られた意義について、ここでは観客のコメントと共に迫っていきたい。
手探りながらも奮闘する、DMATの知られざる活躍を描く
2020年2月、横浜港に停泊した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号で新型コロナウイルスの集団感染が発生。この未曽有の事態に、有志の医療従事者で構成される災害派遣医療チーム、DMAT(Disaster Medical Assistance Team)は船内に乗り込んで救助活動を行うが、ウイルス感染の専門ではなかったことから、その対応に批判の目を向けられてしまう。
過熱するマスコミの報道が世論を煽るなか、船外で指揮を執るDMAT指揮官の結城(小栗旬)、厚生労働省の立松(松坂桃李)、そして仙道(窪塚洋介)や真田(池松壮亮)といった船内で患者や乗客に対応するDMAT隊員たちは人命を最優先に活動。全員が無事下船して日常を取り戻せるよう、最前線=フロントラインで未知のウイルスに立ち向かっていく。
未曽有の事態から5年…改めて観客はなにを思った?
新型コロナウイルスの脅威が報じられるなか発生したダイヤモンド・プリンセス号の集団感染は、連日ニュースでも取り上げられ、なかなか収束しない事態の行方を日本中が見守った。この出来事から5年が経つが、最前線で戦っていた人々の重厚なドラマは、当時の率直な感情を蘇らせる。
「家族があの時ダイヤモンド・プリンセス号にクルーとして乗船しておりました…。得体の知れない怪物に本人や家族はとても不安で、報道を見て毎日心配で涙を流し、家族の無事を祈っておりました」(年代未回答・女性)
「横浜市在住なので不安は感じていたが、よくわからないことも多く、テレビのなかの世界という感じだった」(20代・女性)
同時に「DMATの活動を知らなかったので、彼らの活躍が知れるすばらしい映画でした」(年代・性別未回答)とあるように、ニュースだけでは知り得なかった一面も明かされていく。「本作を観て、いま改めてなにを感じたか?」と尋ねてみると、自身の想像とは異なるという言葉や医療従事者への感謝など多彩な感想が並んでおり、いろいろと考えさせられる作品であることがうかがえる。
「当時大学生だった自分はテレビのニュースすら見ずに生活していました。あの出来事の裏側を知れて人生の糧になりました」(20代・男性)
「改めて2020年にコロナが流行し始めた時のことを思いだし、わからないことが多いなか戦ってくれた医療関係者に感謝したいと思った」(20代・女性)
「複雑な事情と制限のなか、自分の仕事の本分と仲間を信じて戦う人たちの舞台裏が熱かったです」(40代・女性)
「作られたことに意義を感じるすばらしい作品でした。まだ当時の記憶が鮮明なうちに観られたことで、思いを馳せることができました」(年代・性別未回答)
さらには「当時、報道局の記者として、乗客の方に取材をする立場にいました。電話やメッセージで直接聞いた現状や想いを届けたいと必死になりましたが、世間からは過熱報道と批判され、やるせない気持ちでいました。映画では医療従事者の方の覚悟や意思を尊重する形で表現されていて、当時伝えられなかった多くの人にこのことが伝わればいいなと思いました」(20代・女性)という声も。これらの感想からも『フロントライン』がどれだけ意義深い作品なのかがわかる。