「本音と建前」を使い分ける京都人の府民性がちょっと怖い?『ぶぶ漬けどうどす』本編映像

「本音と建前」を使い分ける京都人の府民性がちょっと怖い?『ぶぶ漬けどうどす』本編映像

“京都愛”が強過ぎる主人公が大騒動を引き起こしてしまう『ぶぶ漬けどうどす』(6月6日公開)。本作より、ちょっと怖い本編映像が解禁となった。

東京から京都の老舗扇子店に嫁いできたフリーライターの澁澤まどか
東京から京都の老舗扇子店に嫁いできたフリーライターの澁澤まどか[c]2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

本作の舞台となるのは、歴史に名を残す寺社仏閣が点在する美しい街並みや、悠久の時を超えて受け継がれてきた伝統文化が、世界中の人々を魅了する古都、京都。そんな京都が大好き過ぎて、この街の一番の理解者になろうとした主人公が、思いもよらず引き起こした大騒動を描くシニカルコメディとなっている。

騒ぎの火種となるのは、「本音と建前」を使い分ける県民性。その技を器用に駆使する“京都人”と、東京から来た“ヨソさん”である主人公との攻防が、面白おかしく展開される。だが、それは京都という迷宮への入口に過ぎない。ヨソさんも生粋の京都人さえも、京都を愛すれば愛するほど、奥の深すぎる不可思議なこの街に飲み込まれてゆく。

東京から京都の老舗扇子店に嫁いできたフリーライター、澁澤まどかを演じるのは、『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(23)や『嗤う蟲』(25)で主演を務めた深川麻衣。まどかの義母である老舗扇子店の女将、澁澤環には、40年以上のキャリアを持ちいまなお活躍の幅を広げる室井滋。さらに、小野寺ずる、片岡礼子、大友律、若葉竜也、松尾貴史、豊原功補ら、日本屈指の実力派俳優たちが古都に大集結した。監督を務めるのは、『南瓜とマヨネーズ』(17)、『白鍵と黒鍵の間に』(23)など、唯一無二のユーモアセンスに定評のある冨永昌敬。『his』(20)、『そばかす』(22)の脚本家、アサダアツシが構想に7年を費やした完全オリジナル作品が満を持して映像化される。

東京から京都の扇子店に嫁いできたライターのまどかは、数百年の歴史を誇る老舗の暮らしぶりをコミックエッセイにしようと、義実家や街の女将さんたちの取材を始める。ある日、梓(片岡)が女将を務める京料理店を訪れたまどかは、そこで梓から、年々廃業する老舗が増えていると教えられる。老舗が無くなるということは「京都の顔」が無くなるということ。「自分とこだけ守っててもあきません。みんなで助け合っていかんと」という梓の言葉に、まどかは深い感銘を受ける。その後、義母の環の留守中に店番を務めていたまどかは、不動産業を営む上田(豊原)の頼みを聞いて、老舗を紹介するテレビ番組に出演する。放送された番組で、まどかは梓の話を受け売りし、さらに女将たちの集まりを「洛中女将さん会」と勝手に名付けて紹介。自分たちのマンガも放映されて大はしゃぎしてしまう。

今回解禁された本編映像は、番組のお礼がしたいという体で梓に呼び出されたまどかが、「あんな大層なこと言われたら恥ずかしゅうて街歩かれへんやろ」と、きつく叱られるシーン。さらに、「洛中女将さん会」と勝手に名付けたことに対し、老舗の女将一同はまどかに詰め寄る。「洛中」とは、京都の中心部を表す言葉。どうやら洛中と洛外との間には見えない溝があるようで、その存在を知らずに「洛中」を冠した名前を付けたこともまずかったようだ。

ピリついた雰囲気のなか、梓が実は生粋の京都人ではなく、外から嫁いできたヨソさんであることが判明。空気が読めないまどかは、追い打ちをかけるように、その場に集まった女将さんたちに「もしかして、(みなさんは)洛外なんですか?」と発言し、その場を凍らせる。この騒動をきっかけに猛省したまどかは、京都の「本音と建て前」の文化を勉強しようと決意するのだが、京都のさらなる深みにはまってしまう。ヨソさんと京都人が奇妙な攻防を繰り広げる本編映像となっている。


【写真を見る】テレビ番組でとんでも発言をしたまどかに詰め寄る女将たち
【写真を見る】テレビ番組でとんでも発言をしたまどかに詰め寄る女将たち[c]2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会

公開まであと1か月を切り、益々盛り上がりを見せる『ぶぶ漬けどうどす』。観たら京都に行くのが怖くなる(?)かもしれないシニカルコメディをぜひチェックしてほしい。

文/平尾嘉浩

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