『サンダーボルツ*』が北米初登場No. 1!批評家から高評価を獲得し、いよいよMCU完全復活へ

『サンダーボルツ*』が北米初登場No. 1!批評家から高評価を獲得し、いよいよMCU完全復活へ

先週末(5月2日から5月4日)の北米興収ランキングは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作である『サンダーボルツ*』(日本公開中)が初登場でNo. 1を獲得。これでMCU作品はこれまで公開された全36作品が初登場No. 1と、また記録を更新したことになる。まずは例によって、そのオープニング成績をこれまでMCU作品と比較しながら見ていこう。

【写真を見る】北米で公開後にタイトルが変更…異例の戦略で、ヒーロー映画離れを食い止めることができるのか
【写真を見る】北米で公開後にタイトルが変更…異例の戦略で、ヒーロー映画離れを食い止めることができるのか[c] 2025 MARVEL

4330館で公開され、初日から3日間の興収は7430万ドル。これはMCU36作品のなかで30位とかなり下のほう。北米の歴代オープニング興収では141位で、5月公開作品にしぼっても歴代35位と、MCU前作『キャプテン・アメリカ/ブレイブ・ニュー・ワールド』(24)と同様、“通常であれば文句のないヒットスタートであるけれど、MCUとしては物足りない”という印象だろう。

ちなみに、その『ブレイブ・ニュー・ワールド』は4105館で8884万ドルのオープニング興収で、公開から2ヶ月かけてなんとか興収2億ドルまで到達している。オープニングの段階では『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(21)や『エターナルズ』(21)といったコロナ禍からの回復途上で公開された作品(いずれも最終的には北米累計興収2億ドルを突破している)と同水準の『サンダーボルツ*』。これらと同様2億ドル到達の可能性は高いものの、1億8000万ドルという制作費の回収には届きそうにないのが実情だ。

『スパイダーマン:NWH』以来の高評価!
『スパイダーマン:NWH』以来の高評価![c] 2025 MARVEL

とはいえ、『サンダーボルツ*』には興収の持続力で『ブレイブ・ニュー・ワールド』を上回るだけの“強い味方”が存在する。ひとつは作品の評価の高さに他ならない。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価は88%と、近年のMCU作品としては『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(21)以来の高い評価を得ている。そしてもうひとつは、終盤に明かされる真のチーム名と、それにあわせた事実上のタイトル変更という異例の戦略がもたらす話題性だ。

これらによって一度MCUから離れた客層が、次の「アベンジャーズ」映画に向けて戻ってくるきっかけとなれば、大きなジャンプアップが見込めるはず。なお、『ブレイブ・ニュー・ワールド』も『サンダーボルツ*』との相乗効果で、公開12週目にして前週の34位から一気に16位まで浮上。夏には今年3本目のMCU作品となる『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(7月25日日本公開)も控えており、そろそろMCU完全復活が見えてきたかもしれない。

『マインクラフト/ザ・ムービー』はついに北米累計興収4億ドルに到達!
『マインクラフト/ザ・ムービー』はついに北米累計興収4億ドルに到達![c] 2025 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

一方、3週目にして首位を明け渡したライアン・クーグラー監督の『Sinners』は、前週比72.4%となる興収3310万ドルの成績を収めて2位に踏みとどまっている。累計興収は週末時点で1億7900万ドルで、次週末には北米累計興収2億ドルに到達する見込みだ。

また、前週比6割近い興収でひとつ順位をあげた『マインクラフト/ザ・ムービー』(日本公開中)は、公開34日目の5月7日の時点で累計興収4億ドルに到達。北米歴代興収ランキング52位まで浮上し、『ジュマンジ:ウェルカム・トゥ・ジャングル』(17)超えをすでに射程圏内に収めたようだ。


文/久保田 和馬

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