【ネタバレ解説】「キャシアン・アンドー」シーズン2を総まとめ!登場した『ローグ・ワン』キャラクターたちも紹介

コラム

【ネタバレ解説】「キャシアン・アンドー」シーズン2を総まとめ!登場した『ローグ・ワン』キャラクターたちも紹介

第4~6話でフォーカスされる、心に深い傷を負ったビックスとキャシアンの関係

それから1年後の3~6話。キャシアンは首都コルサントで、ビックスと共に都会の雑踏にまぎれて潜伏する生活を送っている。シーズン1で帝国軍の拷問を受けたビックスはPTSDに悩まされ、キャシアンを心配させる。それでもキャシアンは新たなミッションをこなさねばならない。ここでルーセン(ステラン・スカルスガルド)から下されるのは、ゴーマンの反乱分子、ゴーマン戦線に接触して現地の状況を把握すること。ゴーマン戦線は日に日に強まる帝国の支配に不満を募らせ、いまにもその怒りは爆発しそうだ。しかし、キャシアンは反乱軍が彼らに協力するのは危険と判断する。

シリーズでも珍しい、穏やかな日常生活が描かれるシーンも
シリーズでも珍しい、穏やかな日常生活が描かれるシーンも[c]2025 Lucasfilm Ltd.

キャシアンは、この判断の甘さをルーセンに叱責される。ルーセンは大義のためならどんな犠牲をもいとわないし、時には非情な決断を下す。彼の目には、ビックスさえ危険要素と映っているのだ。ビックスをかばうこの局面でのキャシアンはとても人間的だが、裏を返せば『ローグ・ワン』のような非情なまでの革命の戦士の域には、まだ達していない。

第6話のラストでビックスはトラウマを克服する
第6話のラストでビックスはトラウマを克服する[c]2025 Lucasfilm Ltd.

それでもルーセンは、このタームの最後に親心を見せる。キャシアンに下された任務は、帝国保安局の拷問のプロ、ドクター・ゴースト(ジョシュア・ジェームス)の抹殺。この男は、ビックスに苦痛を与えた人物でもある。ビックスと共にこの任務にあたったキャシアンは、彼女自身にドクターへ件の拷問器具を装着させることで、PTSDの根源を取り除くのだ。


ついに始まる帝国の虐殺…キャシアンが革命の戦士に至るまでの“あと一歩”が描かれる第7~9話

第7~9話の主要な舞台はゴーマン。ここから物語は激しく動く。ルーセンの元を離れ、ヤヴィンにある反乱軍の基地に拠点を移していたキャシアンとビックス。しかしキャシアンが次なるミッションに選ぶことになるのは、ルーセンに共鳴するウィルモンからの依頼だった。それは、ゴーマンに滞在して不穏な動きを見せているデドラを抹殺すること。デドラはシーズン1の最終話でフェリックスを混乱の渦に陥れ、ビックスへの拷問を命令した張本人でもあるが、ルーセンに反発するキャシアンは頑なに拒絶する。

ゴーマンでの悲劇によって、物語は大きく動き出す
ゴーマンでの悲劇によって、物語は大きく動き出す[c]2025 Lucasfilm Ltd.

だが、そんな彼の意志を揺るがす出来事が起こる。戦闘で負った傷が癒えず、ビックスに連れられて嫌々ながら出向いた、フォースの使い手らしき治療者のもとで、キャシアンは“メッセンジャー”であることを告げられるのだ。これがなにを示しているのか現段階ではわからないが、今後観進めるうえで気に留めておきたい要素。この言葉に重要な意味を見出したビックスに説得され、キャシアンはウィルモンと共にゴーマンに飛ぶ決意をする。

そのころ、デドラは帝国の方針に則り、ゴーマンの民の暴動を誘発・制圧したうえでゴーマンを支配する計画を進めていた。そうとは知らないゴーマンの人々は、帝国の拠点のある広場でデモを行なう。集まってくる市民の数は増えていき、警備にあたる帝国兵との間の緊張が高まるなか、帝国側の発砲を引き金についに暴動が起こり、広場は血に染まっていく。帝国軍の攻撃は鎮圧ではない。思わず目を覆いたくなるほどのリアリティで描かれるのは、もはや虐殺だ。キャシアンはそのてん末を目にすることになる。

おぞましい帝国による虐殺…シリルが目撃したゴーマンでの悲劇
おぞましい帝国による虐殺…シリルが目撃したゴーマンでの悲劇[c]2025 Lucasfilm Ltd.

その後コルサントに飛んだキャシアンは、議場でゴーマンでの帝国軍によるジェノサイド、ひいては皇帝であるパルパティーンを非難するスピーチを行なったモン・モスマ元老院議員(ジェネヴィーヴ・オーライリー)を、ヤヴィンへと脱出させる任務を請け負う。スピーチを終えたモスマは、帝国から追われる身に。彼女を狙う帝国側と、ゴーマンの惨状を目の当たりにし、すっかり一流スパイとしての風格を漂わせるキャシアンが織り成す緊張感あふれるシークエンスには、手に汗を握らされる。なんとか包囲網を突破して脱出に成功した後、キャシアンは、モスマに「皆の希望になってくれ」と伝えるのだ。キャシアンが真の意味で“革命の戦士”となるには、もう少し試練が必要なようだが、第9話の終盤で描かれるビックスとの別れも、その一つだろう。

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