実写映画版公開記念!アニメ『リロ&スティッチ』6月6日の金曜ロードショーで本編ノーカット放映
2003年に劇場公開され大ヒットを記録した長編アニメーション『リロ&スティッチ(2002)』が、実写映画版が公開される6月6日(金)オンエアの金曜ロードショーで本編ノーカット放映される。
本作は、ハワイに住んでいる両親を亡くした姉妹と地球へ逃亡してくるエイリアン“スティッチ”とのふれあいを描いた長編アニメーション。緻密に捉えられた波の動きや水彩画タッチで描かれるハワイの美しい景色など、ディズニーアニメならではの映像美も見どころ。またそのドラマ性も評価され、米アカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされた。
ハワイのカウアイ島に住む、事故で両親を失くしてしまった2人の姉妹。妹のリロは想像力が豊かでマイペースな5歳の女の子。想像力が豊かすぎるせいで、周りからは変わり者と思われ馴染めず、友達ができず独りぼっち。年の離れた19歳の姉ナニは、亡くなった両親に代わりリロを育てるが、わんぱく具合に手を焼いている。ナニはリロとの2人暮らしを続けようとするものの、福祉局から目を付けられ、リロは施設に連れていかれそうになってしまう。そんなとき、宇宙から飛来しカウアイ島に不時着したのがエイリアンのスティッチ。天才科学者ジャンバの遺伝子実験で生まれた試作品であり、銀河連邦によって追放処分になるところを、地球に逃亡してきたのだった。そんなスティッチを、リロは犬と間違え飼うことに。行く先々でトラブルを起こすスティッチを決して見捨てないリロ。2人の間にはかけがえのない絆が徐々に生まれていく。しかしそこに、スティッチを確保しようとする、銀河連邦が忍び寄る。
青色の体、大きな耳、そして愛くるしい目。そのカワイイ見た目とは裏腹に、実は凶暴で破壊本能を持つ6本足のエイリアンという設定のスティッチ。カワイイ見た目とイタズラ好きな性格のギャップにも公開当時から人気が集まっていた。予測不能な行動で周囲を混乱させるスティッチだけど、自分には家族が居ないことに気づき寂しさを感じていく。しかし、リロとの出会いを通して「オハナ」(ハワイの言葉で、広い意味での家族のつながり)という大切なものを知り、次第に心を開いていく。そして、スティッチの魅力を語る上で欠かせないのが、日本語吹替版で声を担当した山寺宏一の名演。コミカルなシーンでの獣のようなハイテンションな演技から、感動的なシーンでの繊細な感情表現まで、その声の演技にも注目してほしい。
スティッチだけでなくナニとリロの姉妹の絆も感動できるポイント。姉のナニは19歳の若さで、両親に代わってリロを育てていくことに。手のかかる年頃のリロを上手く育てることができず、福祉局に「妹さんを、君から離して保護するべきだ」と告げられてしまう。本来であれば、ナニだって遊びたい年頃。それでも、なんとか別々に暮らすのを避けようとリロと向き合っていく。一方のリロは周りと馴染めず友達がなかなかできないという悩みを抱えていて、ついナニに迷惑をかけてしまう。しかしリロもナニが無理をしてなんとか親代わりとして振舞っていることにも気付いている。見ていて応援したくなるような2人の姉妹。そこには、大人もハっとさせられるドラマが隠されている。
公開初日に早速実写版を観た人も、これから観る予定の人も、金曜ロードショーのアニメーション版で『リロ&スティッチ』の世界を楽しんでほしい!
文/スズキヒロシ