まもなくコンクラーベが本当に開催!注目度高まる『教皇選挙』とあわせて観たいフランシスコ教皇の関連作
世界中を訪れ、様々な問題について道を示したフランシスコ教皇
『ローマ法王フランシスコ』(18)は巨匠ヴィム・ヴェンダースが監督したドキュメンタリーで、バチカン市国の協力も得ながらフランシスコ教皇へのインタビューを敢行している。同じく、『旅するローマ教皇』(22)もドキュメンタリーで、『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』(13)、『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』(16)などを手掛けてきたジャンフランコ・ロージが監督を務めている。2013年のイタリア・ランペドゥーサ島から2022年のマルタ共和国まで、37回の旅で53か国を訪れた教皇に密着。欧州だけでなく、難民問題や紛争に苦しむ中東やアフリカの地に踏み入れ、イスラム教や正教会の指導者とも会見していく。
世界で唯一の被爆国である日本では黙祷を捧げ、カトリック教会で起きた性的虐待についても謝罪し、国際宇宙ステーションとテレビ電話をつないで宇宙飛行士らと交信する姿も記録している。あらゆる問題に耳を傾け、現地の人々と出会い、対話する教皇の務めを果たそうとする様子だけでなく、その温かな人間性にも迫っていく。『ローマ法王フランシスコ』と共に、劇中で語られる言葉の一つ一つに励まされるような気持ちになり、なにかに悩んでいる人のあと押しもしてくれる。
コンクラーベは5月7日(水)から開始されるという。世界が混乱し、対立、分断も深まるなか、どのような教皇が選出されるのか。その行程は映画『教皇選挙』のように困難を極めるのか。注視して見守りたい。
文/平尾嘉浩
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