正史でもターキン総督が首謀?「キャシアン・アンドー」シーズン2の最重要ワード、悲劇の惑星“ゴーマン”をひも解く
※以降は、「キャシアン・アンドー」シーズン2第6話までのストーリーの内容に触れています。未見の方はご注意ください。
“カルカイト”の鉱脈に目をつけた帝国は…
これまで、ゴーマンという惑星については“虐殺が行われた悲劇の惑星”という設定しか存在していなかったが、シーズン2では新たに設定された惑星の詳細が語られることになる。ゴーマンは、惑星に生息するクモが産みだす糸を紡いだ良質な織物の生産地として有名であり、銀河全域で取引される経済的な要衝。高級な衣料ブランドや店舗が軒を連ね、デザイナーなどが活動し、その服飾にかける想いは伝統文化として継承されてきた場所でもあった。
そんな惑星は帝国にとってもう一つ重要な資源をもたらすことが判明する。帝国では、パルパティーン皇帝の宿願である「帝国の安定した無限のエネルギーの自給」を実現するための計画が進められていた。その計画の要となるリアクターのレンズをコーティングすることに適した鉱物“カルカイト”の鉱脈が、ゴーマンの地中に存在することが確認されたのだ。
しかし、大量のカルカイトの採掘はゴーマンの惑星自体の崩壊に繋がってしまい、採掘が実行されるとなれば、80万人にも及ぶゴーマンの住民は移住を迫られることになる。だが、自分たちの星に対して強い郷土愛を持ち、さらにターキン総督が起こした事件によって帝国に対して批判的な態度をとるゴーマンの住民は、自分たちの星を捨てなければならないような計画に協力的になるはずはなかった。そこで合法的にゴーマンを制圧するために、帝国はデドラ・ミーロ(デニス・ゴフ)が提案した「大規模な反乱」を起こらせるよう計略を練ることとなる。一方、反乱ネットワークの拡大を図るルーセン・レイエル(ステラン・スカルスガルド)も、帝国に反感を持つゴーマンに目を向ける。シーズン2では、ゴーマンを巡る帝国と反乱同盟の思惑が交錯する形で物語が進行しているのだ。
詳細な設定は存在していなかったものの、反乱同盟の活動活性化の要因として名前が挙がっていた惑星ゴーマンは、「キャシアン・アンドー」という作品においてついに大々的なスポットが当たり、歴史的事実としての“ゴーマンの虐殺”がスター・ウォーズの「正史」における名を刻むことになる。どんな経緯と謀略の結果発生し、どのような状況が描かれていくことになるのか?反乱同盟にとっては結束しなければならないと思わせるほど、大きな契機となるはずの事件の顛末を見届けてほしい。
文/石井誠