正史でもターキン総督が首謀?「キャシアン・アンドー」シーズン2の最重要ワード、悲劇の惑星“ゴーマン”をひも解く

正史でもターキン総督が首謀?「キャシアン・アンドー」シーズン2の最重要ワード、悲劇の惑星“ゴーマン”をひも解く

「スター・ウォーズ」の最新ドラマシリーズ「スター・ウォーズ:キャシアン・アンドー」のシーズン2が、ディズニープラスにて独占配信中だ。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)へと続く、キャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)の反乱同盟における戦いを描いている。

物語の折り返しとなる第6話まで配信された物語では、銀河帝国と反乱同盟の双方の思惑が交錯する“惑星ゴーマン”での政治的なスパイ活動がメインとして描かれている。物語の舞台となるゴーマンは、シリーズファンならばその名を耳にしたことがある、重要な事件が発生した惑星だ。本稿では、ゴーマンの設定や背景を中心に、シーズン2のスター・ウォーズ史における重要性について解説していこう。

スター・ウォーズの正史では語られていなかった“ゴーマンの虐殺”

「キャシアン・アンドー」シーズン2の重要なポイントとなるのは、帝国元老院議員ながら共和国再建に向けた反乱ネットワークの構築に力を注いでいたモン・モスマ(ジュネヴィーヴ・オーライリー)が、本格的に反乱同盟の指導者へとその立場を移していくという流れだ。シーズン1では、モスマは帝国にバレないよう裏側で反乱ネットワークの拡大に資金的な面で協力をしていたものの、帝国元老院議員という立場もあるため表立った反乱の意思を見せることはなかった。その彼女が公然と帝国を非難し、反乱分子として追われるきっかけとなったのが、惑星ゴーマンで行われた帝国による市民の虐殺事件なのだ。

のちに反乱軍を指揮することになるモン・モスマ
のちに反乱軍を指揮することになるモン・モスマ[c]2025 Lucasfilm Ltd.

これまでのスター・ウォーズの正史(=カノン)において、この“ゴーマンの虐殺”は、実際の映像などは描かれず、ワードとしてのみ登場するものだった。最初の言及があったのは、アニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」シーズン3の第18話「極秘輸送」である。輸送船ゴーストのメンバーが反乱運動を影で支えてきたベイル・オーガナの依頼を受け、ある人物の極秘輸送任務を引き受ける。その人物こそが、帝国元老院議会でパルパティーン皇帝を公然と批判し、反乱者として指名手配されたモスマだった。このエピソードでは、反乱の意思を持つ人々に向けて“反乱同盟宣言”を行うことをきっかけに、それまでは派閥によってバラバラだった反乱同盟が一丸となっていき、モスマも反乱同盟の指導者となっていくことになるのだ。


“レジェンズ”での首謀者は、デス・スターと共に散ったグランド・モフ・ターキン

【写真を見る】「キャシアン・アンドー」シーズン2で初めて映像として描かれた、悲劇の惑星ゴーマン
【写真を見る】「キャシアン・アンドー」シーズン2で初めて映像として描かれた、悲劇の惑星ゴーマン[c]2025 Lucasfilm Ltd.

ちなみに、小説やコミックスなどで広がったスター・ウォーズの設定(現在は「レジェンズ」と呼ばれている)では、帝国に忠誠を誓うことを拒否した惑星としてゴーマンが登場。ゴーマンの提督は増税を課す帝国に反発していた。税金の徴収に来たグランド・モフ・ターキンが、増税に反対する市民が宇宙港にて平和的な抗議運動を行うなか、故意に宇宙船を着陸させ多くの死傷者が出たことが“ゴーマンの虐殺”として記述されている。

スター・ウォーズ史において、反乱同盟の勃興にとって重要な出来事であるように語られてきた“ゴーマンの虐殺”について、「キャシアン・アンドー」のショーランナーであるトニー・ギルロイは、「シーズン2で5話を使って描いていく」と話している。シーズン2では、レジェンズに書かれたターキン総督による虐殺事件の設定の一部が変更され、帝国に対してゴーマンでの反感が高まる原因となった過去の事件として扱われる形で変更がなされている。

ゴーマンの住民が、ターキンによる虐殺事件を語るシーンも
ゴーマンの住民が、ターキンによる虐殺事件を語るシーンも[c]2025 Lucasfilm Ltd.
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