C-3PO、K-2SO、ジャー・ジャー・ビンクス。“「スター・ウォーズ」の伝説的な相棒たち”が明かす驚きの撮影裏話

C-3PO、K-2SO、ジャー・ジャー・ビンクス。“「スター・ウォーズ」の伝説的な相棒たち”が明かす驚きの撮影裏話

「スター・ウォーズ」の祭典「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」も本日4月20日で最終日となった。この日行われたパネルステージ「『スター・ウォーズ』の伝説的な相棒たち」でゲストとしてC-3PO役のアンソニー・ダニエルズ、ジャー・ジャー・ビンクス役のアーメド・ベスト、K-2SO役のアラン・テュディックらが登壇し、撮影の舞台裏を語った。MCはアニメーション映画『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』(08)でアソーカ・タノの声を演じたアシュリー・エクスタインが務めた。

【写真を見る】レジェンド、アンソニー・ダニエルズを心から称え拍手を送るアラン・テュディック、アーメド・ベスト、アシュリー・エクスタイン
【写真を見る】レジェンド、アンソニー・ダニエルズを心から称え拍手を送るアラン・テュディック、アーメド・ベスト、アシュリー・エクスタイン

まずは黄色い歓声に包まれた会場を見て、ベストが「いま、世界中でいろんなことが起こってるなか、『スター・ウォーズ』ファンの方々と、この時間を共に分かち合える機会を持ててうれしいです」と感激する。ダニエルズも「いろんな国から来てくれていますね」とうなずくと、テュディックも「熱気がすごいです!まるで稲妻です」と圧倒されていた。

ドロイド役のレジェンドともいえるダニエルズと登壇できたことに感激している様子の3人。ダニエルズは、1作目『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』(77)でのC-3POとしての演技を振り返り「オビ=ワン・ケノービがデス・スターで命を落とします。その時、C-3POが本当に悲しそうに見えると思います。台詞はなかったけど、それが一番最初の感情表現だったと思います」と述懐。

テュディックも「おお~!」と興奮し、「私たちドロイドは機械ではなくて、心もありますし、感情もあります」とうなずき、今度は自身が演じたK-2SOの話題に。キャシアン・アンドーの相棒であるK-2SOについて「デザインの段階で、実はまつ毛もありました。まばたきはしてなかったのですが。でも、しっくりこなかったのでボツになったんです」と制作秘話を明かすと、会場からも大いに反響が上がる。

C-3POの独特の声色はどうやって生まれたのか?ジョージ・ルーカスとの撮影裏話も披露
C-3POの独特の声色はどうやって生まれたのか?ジョージ・ルーカスとの撮影裏話も披露

また、ジョージ・ルーカスからC-3POの声についてなにかアドバイスやリクエストがあったか?と尋ねられたダニエルズは、1作目『新たなる希望』の撮影時を振り返り、とっておきのエピソードを明かしてくれた。

「ルーカスからは特に声についてのアドバイスはありませんでした。でも、実は撮影の初日に、(C-3POの)ロボットスーツが本当にひどい状態だったんです。それでちょっと変な感じになってしまい、緊張した声を出してしまったら、その声に決まってしまったんです」と言うと、「それ、すごいですね!」とベストたちも驚く。

ベストは「あなたは、最初のドロイドとして、フラストレーションや怒りなども表現してくれました。僕はC-3POも、アンソニーさんご自身のこともよく知っていますが、本当にすばらしいアーティストだと思っています。C-3POの顔の表情は動かないけど、どういう感情なのかがわかるんです。また、次からもいっしょに仕事をしましょうね」とうれしそうに語る。

また、愛嬌たっぷりのジャー・ジャー・ビンクス役に抜擢された時のエピソードについてベストは「6種類の声を録音し、ルーカス・フィルムに届けました。私は子どもが好きで、子どもたちに話しかける時は、ちょっとおもしろい声で話すんです。そしたらジョージ・ルーカスが『その声がいい』と気に入ってくれたようです。送ったあとで、採用されたかどうかもわからずでしたが、ある時、呼ばれて『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』の原稿をいただきました」と当時を振り返った。

ジャー・ジャー・ビンクスをモーションキャプチャーで演じたことについて「もともとは役者を実際に立たせるという考えはなかったと思いますが、そうしないと演技の一貫性を保つことは難しいんです。モーションキャプチャーは、役者が実際に体を使って表現するから、キャラクターに命を吹き込めるんんです」と胸を張る。

ベストはジャー・ジャー・ビンクス役に採用された時の秘話を明かした
ベストはジャー・ジャー・ビンクス役に採用された時の秘話を明かした

そして、CGではなく、生身の人間がロボットを演じることにおいてパイオニア的存在であるダニエルズについて「アンソニーさんは『スター・ウォーズ』のアンバサダーとして活躍されていますが、本当にすばらしい道を切り開いてくれました」と心から感謝すると、会場からも拍手が上がる。

ダニエルズは「本当にありがとう」とにっこり。「最初の作品は予算がなかったのですが、みなさんのおかげで、新しい未来が開けました。それもひとえにファンの方々のおかげです。それは映画作りにおいて大事なことで、観てくれた方々から温かい言葉をいただき、それを力に私は進んでこられました。演技することは簡単な仕事ではないけど、それに価値を与えてくれたのはみなさんのおかげです」と心から感謝した。

ベストも続けて「アンソニーさんが言ったように、ファンの方々からたくさんのパワーをもらっています。私は『スター・ウォーズ』に出られるなんて思ってもみなかったけど、なぜか出演することができました。そして私たちがいま、ここにこうしていられるのは、温かいファンの方々とのコミュニティーがあるから。もちろん厳しい意見をもらうこともありますが、そこには気づきもあります。だから私たちは今後も真剣に考えながら映画を作っていきたいです」と言うと拍手が起こる。

さらに「私は子どものころから『スター・ウォーズ』の大ファンでした。ただの1人の出演者というだけではありません。みなさんからするとハリウッドに住んでいる役者だと思いますが、今日こんなふうにみなさん1人1人と時間を共有できてうれしいし、それが役者としてのやりがいにもつながっています」と言葉をかみしめた。

笑顔を見せるアンソニー・ダニエルズ、アラン・テュディック、アーメド・ベスト、アシュリー・エクスタイン
笑顔を見せるアンソニー・ダニエルズ、アラン・テュディック、アーメド・ベスト、アシュリー・エクスタイン


様々な撮影裏話や役作りについてのトークは多いに盛り上がり、大きな拍手のなか、ゲストは会場をあとにした。

文/山崎伸子