阪元裕吾監督&久野遥子監督、TOHOシネマズ学生映画祭でエール!学生時代の映画作りは「かけがえのない時間」

阪元裕吾監督&久野遥子監督、TOHOシネマズ学生映画祭でエール!学生時代の映画作りは「かけがえのない時間」

今年で18回目を迎える「TOHOシネマズ学生映画祭」が3月27日にTOHOシネマズ日比谷で開催。「ショートフィルム部門」「ショートアニメーション部門」「プロモーション部門」「U-18期待枠」の合計19作品が上映され、各賞が決定した。

TOHOシネマズ学生映画祭は、映像制作に興味を持つ学生たちに活躍の場を提供し、映画・映像産業の将来を担う若き才能を発掘することを目的として、有志の大学生が中心となって運営している映画祭。学生と企業が両輪となり、“プロになるための登竜門”となるような魅力的な映画祭を目指して開催を重ねている。過去の受賞者には、『ペンギン・ハイウェイ』(18)の石田祐康、『やがて海へと届く』(22)の中川龍太郎、『とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー』(21)の見里朝希など、現在活躍中のクリエイターが名を連ねている。

南井洋人監督の『MABU』がTOHO Animation賞を受賞した
南井洋人監督の『MABU』がTOHO Animation賞を受賞した

今年の同映画祭に寄せられた作品応募数は歴代最高となり、ショートフィルム、ショートアニメ、プロモーションの3部門が上映された。ショートアニメーション作品のなかから1作品に贈られるTOHO Animation賞に輝いたのは、『MABU』(南井洋人/聖徳学園高等学校)。小人の世界を舞台に、外の世界を知らない少年MABUと、過保護な保護者赤鬼による一夜の旅の物語を描く。ステージに上がった南井監督は「こんなにステキで、優美で、闊達な作品たちのなかで、僕の作品を選んでいただけて本当にうれしく思います」と感無量の面持ち。

マンモス計画による『ジョセリン・ラン・デブ』がGEMSTONE賞を受賞
マンモス計画による『ジョセリン・ラン・デブ』がGEMSTONE賞を受賞

全上映作品のなかから1作品に贈られるGEMSTONE賞に選ばれたのは、自身の命を絶つために集まった2人の男による恋のランデブーをつづる『ジョセリン・ラン・デブ』(マンモス計画/京都精華大学)。マンモス計画監督は、「賞をいただけるとは思っていなかった」と驚きつつ、「とてもうれしいです。ありがとうございます」と感謝の言葉を寄せた。

飯島偲文監督の『超覚人〜LEGACY RIFT〜』がROBOT賞を受賞
飯島偲文監督の『超覚人〜LEGACY RIFT〜』がROBOT賞を受賞

同じく全上映作品のなかから1作品に贈られるROBOT賞を受賞したのは、かつて戦争のために生みだされた、鋭い超感覚を持つ“超覚人”の生き残りである兄妹を主人公としたアクション映画『超覚人〜LEGACY RIFT〜』(飯島偲文/東京工芸大学)だ。「『超覚人〜LEGACY RIFT〜』の脚本、監督、主演を務めました」と挨拶した飯島監督は、「いままで一人や少人数で作ることが多かったんですが、今回は思い切ってステキなスタッフの方に声をかけて、いろいろな人に観てもらい、評価していただき、うれしく思います」と喜びをにじまた。

「プロモーション部門」のグランプリに輝いたのは、塚本奏監督の『ここじゃない』
「プロモーション部門」のグランプリに輝いたのは、塚本奏監督の『ここじゃない』

そして「POP&COKE」をテーマに、「ポップコーンとコカ・コーラがあることにより映画館で観る映画が、より特別で楽しいものになる」という内容が伝わるショートムービーを募った「プロモーション部門」のグランプリに輝いたのは、『ここじゃない』(塚本奏/大正大学)。「まさかグランプリをいただけるとは思っていなかった」と切りだした塚本監督は、「すごくうれしいです。たくさんの方に協力していただいた。一人一人にお礼を言いに行きたい」と感謝を込めた。準グランプリは、『映画という名の戦場ーあるいはそれに赴く戦士ー』(浅野実祈/日本工学院八王子専門学校)が受賞。会場を見渡した浅野監督は、「ちょうどこの場所で撮影をしていました。この場所で撮影をして、この場所で賞を取れたことがとても感慨深いです」と笑顔を見せていた。

大野恭照監督の『マミ子のウン子』が「ショートアニメーション部門」のグランプリに輝いた
大野恭照監督の『マミ子のウン子』が「ショートアニメーション部門」のグランプリに輝いた

20分以内のアニメーション作品が対象となる「ショートアニメーション部門」のグランプリは、彼氏の浮気現場を目撃してしまったマミ子が怒りの代弁者を生みだす様子を描く『マミ子のウン子』(大野恭照/多摩美術大学)にもたらされた。大野監督は「ステキな音楽を作ってくださった櫻井(佳音)さんに、お礼を言いたいと思います。ありがとうございました。彼女はお仕事募集中なので、ステキな音楽を依頼してください」とアピールして拍手を浴びた。準グランプリは、中高生時代の「お腹が鳴ってしまう」という経験をもとに、メタファーを用いて制作されたアニメーション『腹鳴恐怖症』(小沼亜未/名古屋学芸大学大学院)に決定。小沼監督は「驚きの気持ちとうれしい気持ちでいっぱいです」と胸を熱くしていた。


扇子裕介監督の『RESTART 御社を攻略せよ』が、「ショートフィルム部門」のグランプリに輝いた
扇子裕介監督の『RESTART 御社を攻略せよ』が、「ショートフィルム部門」のグランプリに輝いた

20分以内の実写作品が対象となる「ショートフィルム部門」のグランプリに輝いたのは、負け続けの就活生・木村の再出発に迫る『RESTART 御社を攻略せよ』(扇子裕介/日本工学院専門学校)だ。扇子監督は「映画の作り方はイチから独学で培ってきました」と振り返りながら、「このような賞をいただけてとても光栄に思います。参加してくださった皆さん、ありがとうございました」とお礼を述べた。準グランプリは、『死んだ、ろか。』(佐山美織/日本大学)が受賞。佐山監督は「とても光栄です。まだまだ監督としても人としても未熟です」と口火を切り、その未熟さも糧として「これからも作品を作っていけたらなと思っています」と誓っていた。

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